速筋と遅筋の比率のかんたんな推定方法

【速くなるためのヒント一覧】2012年10月10日 07:43

ロード選手としての素質の中でも特に遺伝的な要素が大きいのが、速筋と遅筋の比率だろう。速筋と遅筋の比率がわかれば、自分がどういった種類のレースに向いているかの判断材料にすることができる。それでは速筋と遅筋の比率はどのようにすればわかるのだろうか。今回は、速筋と遅筋の比率のかんたんな推定方法を紹介する。

 

速筋と遅筋の比率のかんたんな推定方法

■筋繊維タイプの推定方法

筋繊維タイプの推定法には、(1)筋生検(筋肉組織を採取して調べる) (2)MRI (3)フィールド・テスト といったものがある。 (1)と(2)は筋肉への損傷といった影響や専門機材が必要といったことから、ハードルは高い。しかし(3)は、実際に「ラン」で2種類の走行テストを行い、タイムと距離をそれぞれ計測するだけなので、比較的かんたんといえる。

■ランでのテスト方法

具体的には、ランで50m走と12分間走(いずれも全力走)を実施して、50m走は「タイム(秒)」を、12分走は「走行距離(m)」を計測する。計測後、数値を以下「入力フォーム」の所定の欄に入力し、ボタンを押せば、速筋と遅筋の比率の推定値が自動的に計算される仕組みだ。

 

入力フォーム

■テスト結果の数値を入力(注:半角で入力)

  • 50m走のタイム:
  • 12分間走の走行距離:

■数値を入力後、下のボタンを押す

  

■速筋と遅筋の割合の推定値

  • 速筋
  • 遅筋

■注意点

  • 上で算出されるのはあくまで推定値であり、若干の誤差が生じる可能性がある。
  • 普段ランをしていない場合、いきなり50mや12分間の全力走を行うと故障の原因となるリスクも考えられる。不安な場合は、十分にウォーミング・アップを行い、事前に何度か予行演習を行ってから行うのも一案だ。

 

スポーツ種類別にみる速筋と遅筋の比率

一般人の多くは、速筋と遅筋の比率が「50:50」といわれている。一方で、スポーツによって、求められる速筋と遅筋の割合は大きく変わる。ブログ「超還暦クライマーの健康話」さんでは、以下のような競技種類別の大腿直筋の速筋の割合が紹介されている。

 競技種類

速筋

遅筋

短距離競走

60%

40%

バレーボール

58%

42%

サッカー

55%

45%

ノルディックスキー

35%

65%

マラソン

18%

72%

■自転車競技の場合

自転車競技でも、レースやコース種類・距離などによって必要となる能力にはかなりの幅があると考えられる。トラック競技志向であれば、短距離走の比率に近いほうが望ましいと考えられ、200kmを超えるような長距離のロード・レースであれば、マラソン選手の比率に近いほうが、有利になる可能性が高いだろう。

 

参照URL

参考文献

  • ふじいのりあき著・『ランニングの科学』・P156・スキージャーナル株式会社