オーバートレーニングを避けるコツ

【疲労・回復・睡眠】2012年9月27日 07:00

オーバートレーニングは「練習と休養のバランスが崩れ、運動能力が低下すること」だ。重症の場合は回復まで数か月を要する場合もあり、その間に体力はさらに低下してしまうので、なるべく避けたいところだろう。今回は『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』や『SERIOUS CYCLING』を参考に「オーバートレーニングを避けるコツ」を紹介する。

 

オーバートレーニングの原因

オーバートレーニングは、いわば「練習のしすぎ」といえるが、以下の3つが主な原因と考えられる。

  • 練習時間が長すぎる

  • 運動強度が高すぎる

  • 練習頻度が密すぎる(極端な短期間にあまりに多くの練習量を詰め込みすぎる)

競技志向が高い選手がオーバートレーニングに陥るケースでは、「運動強度が高すぎる」場合が多いとの指摘がある。特にレースに向けて「無酸素運動系」のトレーニングに重点的に取り組んでいる場合はリスクが高くなるので、練習週と回復週のバランスを適宜調整したほうがよいだろう。

 

オーバートレーニングを避けるコツ

それではオーバートレーニングを避けるためには、具体的にどのようにしたらよいのだろうか。そのためのコツとして、以下が参考になるだろう。

  1. ハードにトレーニングした日は最低8時間は睡眠を取る。
  2. 基本栄養素をすべて含んだ栄養バランスのよい食事を摂る。
  3. しっかりとした基礎を作るために少なくとも8週間は持久力養成の練習に取り組む。
  4. 「練習頻度」「持続時間」「強度」を急激に上げすぎない。練習量や質を少しずつ段階的に上げていくことで、肉体的にも心理的にも練習負荷の上昇に対応できる。
  5. 午前と午後に分けて二部連をする場合は、午後の練習前に仮眠する。
  6. ハード・トレーニングに取り組む日は、他の練習仲間に合わすのではなく、自分の体力・経験レベルに応じた内容にする。
  7. 「トレーニング負荷に対する自分の反応の傾向」をよく理解したうえで練習に取り組む。「トレーニング負荷に対する自分の反応の傾向」を理解するには、継続的にメンタル・トレーニングの記録をつけ、読み返すとよいだろう。
  8. 起床時心拍数・体重・睡眠時間と質・体調不良(風邪や病気など)・その日のトレーニング内容などを記録するために練習日誌をつける。
  9. ある一定期間ごとに回復期間を練習計画に組み込む。これによって本当の意味で身体が強くなっていく。

 

参考文献

  • ジョー・フリール著・児島修訳・『サイクリスト・トレーニング・バイブル』・P385・OVERLANDER株式会社
  • Edmund R. Burke, PhD著・『SERIOUS CYCLING Second Edition』・P230・HUMAN KINETICS