基礎期に最も多く実施するのはL2での走行練習です。目標とするレースの時間が長いほど、L2での走行時間を長くします。L2での走行は、心拍数やRPEを上げずに維持できる運動強度と持続時間で行います。初心者の場合、このL2での一定の有酸素運動を継続できる時間は15~20分間、上級者になると数時間は維持できるようになります。週に数回は、足を極端に疲れさせることなく、このゾーンでの走行ができなければなりません。
低強度トレーニングと高強度トレーニングによる「血管適応の変化」の相違点について、Peaks Coaching Group Janan の南部コーチがわかりやすく解説されています。
eTは、LTよりもかなり低い運動強度ですが、レースに勝つためには同じくらい重要です。AeTでの運動強度は、メイン集団で巡航している時と同程度です。有酸素系の体力が優れていると、先頭集団で何時間も楽に走行でき、レース戦術用語で「マッチを燃やす」と呼ばれるかなり高強度のインターバルがかかった時にも対処できるだけの余力を残しておけます。
WKO4の活用方法(FTPの再定義、FTPを向上させる方法、等)についての情報が紹介されています。
十分な練習時間が確保できない場合は、インターバルトレーニングなどによって短時間高強度で追い込むことにより、練習の時間効率を上げることができます。しかし、サイクリストとして総合的な実力を上げたければ、月に何回かは耐久走のペース(心拍数:最大心拍数の65~80%、パワー:閾値パワーの55~80%)をメインに、3時間以上乗りこむような、持久力トレーニングを組み込むことが望ましいとの指摘もあります。それはなぜなのでしょうか?また、持久力トレーニングによって、実際に体はどのように変化するのでしょうか?
西薗良太さんのトレーニングセミナー情報について紹介されています(質疑応答の中から、『体幹や筋力トレーニングの有効性』『ヒルクライムののトレーニング方法』『LSDの有効性』『体重管理』といった読者の方にもタメになる内容が紹介されています)。
『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』で紹介されているAeTで走行時のパワーと心拍数のずれの計算ツールを作成しました。基礎期や強化期に「有酸素系の体力(AeTでの体力)が十分なレベルに達しているか」を手軽に確認したい場合などにご活用ください。
比較的時間に余裕がある場合は、1回に長時間練習するのと、2回に分けて練習するのと、どちらが効果的なのだろうか。今回は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル』などを参考に「1日の練習を分割するかどうかについてのヒント」を紹介する。
レース・シーズンが近づくにつれて、レースの高強度に耐えられる体を作るためにL5(VO2max)での練習を行う機会も増えるかも知れない。VO2max(最大酸素摂取量)は全身持久力の重要な指標で、これが高いほどFTPの潜在的な上限も上がり、またL5のパワーはレースで重要なパワーレベルになるので、これを首尾よく上げることができれば、レースでのパフォーマンス向上が期待できる。それではVO2maxはどのようなメカニズムで向上するのだろうか。今回は『スポーツ運動科学』などを参考に、現時点で判明している*VO2max改善のメカニズムを紹介する。
冬の間は、有酸素運動の基礎である「持久力」を養成するためにLSDを含む「耐久走」に取り組む機会が多くなるだろう。この耐久走の質を上げるためのコツが bike training tips.com で紹介されている。
冬の間のトレーニング方法の定石は、LSDなどで距離を乗りこんで有酸素運動能力のベースを作ってから練習量・そして強度を上げて行く方法だが、LSDで効果を出すのに十分な練習時間を確保できない場合はどうすればよいだろうか。
「ロード・レースでもっと速くなりたい!」と思った時、いちばん制約になるのは「練習時間の確保」かと思います。「学校の授業とのかねあい」「仕事が多忙」「お客さんの接待が多い」「通勤時間が長い」理由はさまざまですが、多くの人が「もっと練習できたらもっと強くなれるのに」と思っているのではないでしょうか。
一言でLSDと言っても、その効果は広範多岐にわたりまたトレーニング方法にもかなりのバリエーションがある。今回は『Time Effective Cycling Training』の著者で「短時間・高強度トレーニング」を推奨しているジェスファー・ボンド・メデュウス氏のLSDについての見解を紹介する。
持久力が基礎能力になるロード・レーサーにとって、これから冬の基礎期は1年でもっとも重要といえる。基礎期で「有酸素持久力」「筋力」「スピード・スキル」を十分に高めておけば、レースで必要な能力をその強固な基礎の上に積み上げることができる。冬の地道な練習が夏のレースの成績に大きく影響するわけであり「自転車選手は冬に作られる」という格言は今でもあてはまる。
■有酸素持久力を高める練習方法
ロード・レーサーにとって、いちばん大事な基礎能力は、有酸素持久力だ。これを高めるにはLSDやAeT(有酸素運動閾値・有酸素性作業閾値)*レベルでの運動が有効とされている。最適なAeTレベルの運動強度はFTPの55~75%で、レベルの高い選手であれば、65~75%程度の強度で練習した方が効果が大きい(心拍数の目安としてはLT心拍数の82~88%程度)。今回は、この有酸素持久力が十分なレベルに達したかどうかを確認する方法を紹介する。
オフ明けはプロを始めとするトップ選手はLSDからベースを作り直すことが多い。LSDの効果はひじょうに広範多岐にわたるが、その中でも特に重要なのが「心臓が1拍あたりに送り出す血液量(1回拍出量)」を増やす効果がある点だ。
LSDは、有酸素運動能力の向上に広範で高い効果をもたらす練習方法のひとつだが、初心者と選手レベルではやり方や効果が異なり、また練習目的によっても多少やり方が変わる。効果が広範多岐にわたるLSDの方法論・効果・注意点について以下に整理した。
LSDという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは「Long(長時間) Slow(ゆっくりと) Distance(距離を乗る)」 の頭文字をとったもので、自転車に限らず持久系のスポーツでは広く行われているトレーニング方法のひとつです。
LSDは、初心者にとっては「持久力を高める効果」が高く、レベルの高い競技者にとっても「高強度トレーニングの疲労を抜く」「コンディションを整える」「シーズン初期に高強度の練習を行うための土台を作る」といった意味で有効なトレーニング方法のひとつといわれている。