もっと速くなるためのヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから紹介します。
33ページ中29ページ目クリテリウムでは間断なく加速と減速が繰り返されることで、徐々に足が削られていく。集団の前方でレース展開に絡むことで無駄な急加速の度合をかなり減らすことができるが、普段の練習から「加速と減速を繰り返せる反復能力」を鍛えておけば、レースを余裕をもってすすめられる可能性が高まるだろう。今回は、短時間ながら高速での展開が予想されるクリテリウム用のインターバル・トレーニングのメニューを紹介する。
練習直後のなるべく早いタイミング(おすすめは30分以内)で炭水化物を摂取すると、練習中に減少した筋グリコーゲンの貯蔵量を素早く増加させる(回復させる)効果があると知られている。これは多くの研究結果で確認されており、この方法は回復を早めるのに有効だといえる。それでは練習後のプロテイン摂取はどうだろうか?この研究結果などについてジョー・フリール氏のブログより紹介する。
レースで勝負どころまでエネルギーを温存するためのコツにはさまざまなものがあるが、今回は集団走行時に先頭交代のローテーションに加わる時のエチケットや足を温存するためのコツをCYCLING TIME.com・『The Time-Crunched Cyclist』・『勝つための自転車レーステクニック』を参考にして紹介する。
疲労度合を手軽にチェックできる方法のひとつに「起床時心拍数をチェックすること」があるが、コンディション調整まで行う場合はWKO+のTSB(トレーニング・ストレス・バランス)やGolden CheetahのStress Balance(ストレス・バランス)を参考にすることで、より精度を高めることができる。いずれもパワー・データをもとにしたコンディショニング手法で、今まで目に見えず感覚で推測するしかなかった「調子」をかなりの精度で数値で管理できるといった意味でかなり画期的だが、残念ながら限界点もある。
体脂肪を落とすために効果的な方法としては広く知れ渡った方法にLSDがある。「時間当たりのエネルギー消費量こそ少ないものの、長時間継続できることに加え運動中のエネルギー源全体に占める脂肪の比率が高いので、体脂肪率が効率的に減らせる」というのがその理論だ。これについて『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE』の著者・ジョー・フリール氏が興味深い問題提起を行っているので、紹介する。
トライアスロン選手は、バイクに関しては「サイクリング」のような楽しみを求めず、純粋に体を鍛えるための「トレーニング(≒苦行)」と割り切る傾向があるといわれている。そこで「苦しいが体力アップにはひじょうに有効」なローラーでのパワー・トレーニングに意欲的に取り組む選手が多い。今回はトライアスロン雑誌『LUMINA』や『パワー・トレーニング・バイブル』で紹介されているトライアスリート向けのパワー・トレーニングの練習メニューの一部を紹介する。FTPを上げることや効率性改善に重点を置いた内容なので、ロード・レーサーにとっても参考になるだろう(特にタイム・トライアル指向の選手にはおすすめ)。
クリテリウムやロード・レースでは、テクニカルなターンをうまくクリアするスキルがあれば、エネルギー消耗を抑え、少しでもよい順位でのゴールを目指すうえで役立つだろう。今回は『Cycling FAST』を参考に、テクニカル・ターンでの戦術やコツを補足説明を交えて紹介する。
アレン・リム博士によるチーム・ガーミン・スリップストリームの補給食の紹介のYouTube動画です。
短時間・高強度の練習で意外と重要になるのが、練習前の食事だ。食事を摂るタイミングや量を間違ってしまうと、お腹が気持ち悪くなってしまい練習の質が落ちてしまうリスクがある。今回は『The Time-Crunched Cyclist』より、練習前の食事での炭水化物摂取のタイミングと量の目安を紹介する(16~20分程度のLTを超える高強度のメニューが含まれた練習を行うことを想定)。
なるべく安全に速く下るためのコツが、わかりやすいアニメと字幕(英語)で紹介されているYouTube動画です。
「筋力アップがサイクリングにおける持久的パフォーマンスにプラスの効果がある」との研究結果がある。しかし、不思議なことに「持久的パフォーマンスが改善にするにも関わらず、筋力がアップしても全身持久目安であるVO2max改善にはつながらなかった」という研究結果もある。これは一見、矛盾しているようにも思えるが次のような理由によるものと考えられる。
上りのコツ紹介のYouTube動画です(1990~1999年のツール・ド・フランスの名場面が使われています)。
ロード・バイクのトレーニングでは、まず有酸素運動能力を十分に高めてから高強度トレーニングによって無酸素運動能力を鍛えるほうがよいといわれている。これは高い有酸素能力が、高強度のトレーニングを受け止められる強固な土台になると考えられているからだ。しかし、これはどのような仕組みによるものなのだろうか。今回は、これについて『コーチングクリニック 2007年11月号』や『パワー・トレーニング・バイブル』を参考に紹介する。
ロード・レースの最終局面では、かなり疲労困憊していても高いパワーを絞り出さなくてはならない場合が多い。今回は『室内 ローラー練 サイクリング・トレーニング・メニュー集』を参考に、レースの最終局面で高いパワーを絞り出す力を養成するための「脚が焼け付く」ような高強度のインターバル・トレーニングのメニューを紹介する(特にクリテリウム対策として理想的な練習メニューとのこと)。
疲労のメカニズムはまだ完全には解明されていないといわれている。TV番組で「FFという疲労物質が見つかった」との報道があったが「これで疲労の全て解明された」と考えるのは早計かも知れない。「疲労に関係すると言われている物質の増減(筋肉の疲労)と疲労感(脳の疲労)は必ずしも一致しない」との研究結果もあり、疲労は複雑なメカニズムにより起こっているというのが実際のようだ。この「疲労感(脳の疲労)」については「4分の3理論」という興味深い説がある。
一流プロとの体組成比較シリーズ。今回は土井雪広選手との体組成比較シートを紹介する。また土井選手は、プロ選手の中ではとしては珍しくブログの中で「練習メニュー」「パワー」などの情報を詳しく書かれているケースがあるので、該当記事へのリンクもあわせて紹介する。
レースでは、ここぞという時にパワーを十分に出せるようにするために無駄なパワー・ロスを極力少なくするほうが望ましいといえる。具体的には、なるべく急加速のようなFTPを大幅に超えて筋グリコーゲンを大量に使うような動きを少なくすることや、そもそもペダルを踏んでいる時間をなるべく少なくすることが大切になる。しかしそれをどのように実現したらよいのだろうか。今回は、集団走行時になるべく「パワー・ロスを少なくするための位置取り」について『The Time-Crunched Cyclist』を参考に紹介する。
ヒルクライムの場合、体重や機材の重量が同じでよほど風が強くない限りは、パワーが高いほどタイムが短縮する。これは、パワーを縦軸に・タイムを横軸にしたグラフにこれらのデータを落とし込んでみるとほぼ直線関係になることからも確かめられる。今回はこのパワーとタイムの直線関係を利用した、「ヒルクライムのタイムとパワー予測シート」を紹介する。
筋力アップにはウェトレのようにジムで行う方法もあるが、自転車上で行う方法もある。今回は、biketrainingtips.comを参考に「坂で行う筋トレメニュー」を紹介する。
体力を向上させるには、まずは練習するのが第一だが、その量や時間に応じて適切な回復期間(含むアクティブ・リカバリー)を置くことも大切になる。「休んでいる間」にこそ超回復が起こり体力が向上するので、「練習と回復期間は1セット」と考えるべきといえるだろう。疲労回復のスピードは、個人差(年齢や疲労回復力)が大きいので画一的には判断できないが、以下の目安が参考になる。
ツール5連覇やオリンピック・世界選手権での優勝など数多くのタイトルを獲得したミゲール・インデュラインの引退14年後の身体能力データが THE
INNER RING で紹介されています。
レース直前の食事で、肉などを含めて食べ過ぎていまひとつ調子がよくなかったという経験をしたことがないだろうか。腸をフィルターとして考えると、レース前にはフィルターを詰まらせるものを極力取らない方がよいという指摘がある。
人体には約120gのクレアチンが貯蔵されているが、その水準を人為的に上げパフォーマンスアップを図る方法がクレアチン・ローディングだ。
クライミングの練習方法やコツが、わかりやすいアニメと字幕(英語)で紹介されているYouTube動画です。
2012年のディーラー・キャンプにおける、HONEY STYNGERのブースでのインタビュー動画です。2012年の新製品が手短に紹介されています。
ローラー練は単調で「実走に較べるとつまらない」と感じることが多いかも知れないが、メニューに工夫や変化を加えることで、「つまらなさ」を紛らわしながら様々な能力を効果的にトレーニングできる。今回はTVを見ながら気楽に行える低強度の片足ペダリングの練習メニューを紹介する。
アップ・ダウンを含むコース・レイアウトのロード・レースで勝負の分かれ目になることが多いのが「上り」だ。L4~6のパワー・ウェイト・レシオが十分であれば大抵は対応できるだろうが、上りでの戦術やコツを熟知していれば「無駄に高出力を出す必要性」を減らすことができる。また仮に周りの選手に比べて多少パワー・ウェイト・レシオが劣っていたとしても、集団から千切れるリスクを減らすことができるだろう。今回は『Cycling FAST』を参考に、上りでの戦術やコツを紹介する。
グリコーゲン・ローディングの手法は1960年代から研究されているが、その間に新しい手法が編み出されたり、その効果や限界点についても明らかになりつつある(ただし科学的に結論が出ていない点もある)。今回は、グリコーゲン・ローディングの方法・効果・注意点などについての新旧を含めたさまざまな情報を整理した。
ゴール近くまで首尾よく逃げることができたものの、最後に残った相手が自分よりもスプリントが得意な場合、普通にゴール・スプリントをしてもまず勝ち目がないだろう。しかし、もしまだゴールまでそれなりの距離が残っているならば、勝ち目はあるかも知れない。今回は『勝つための自転車レーステクニック』を参考に「ゴール近くでスプリンターと一騎打ちになった時の対抗策」を紹介する。
サプリメントの中には、完全にその効果が科学的に証明されていないものもある。ある研究では「パフォーマンスにプラスの効果があった」との結果が出たとしても、別の研究では「パフォーマンスに影響はなかった」「パフォーマンスにむしろ悪い影響があった」との結果が出ることも珍しくない。しかし消費者に対しては、プラスの結果は証拠として積極的に示されることはあっても、それ以外の場合の結果が知らされることは少ない可能性がある。それでは利用者は、そのサプリが本当に効果があるかを、どうやってチェックすればよいだろうか。今回は「自分でサプリが本当に役立つかを確認したい」と思った場合に役立つ「サプリの真価を問うための10の質問」を『SERIOUS CYCLING Second Edition』より紹介する。
ペダリングの際、出力効率がいちばんよいのはクランクに対して90度の方向に力がかかった時だといわれている。しかし相当にペダリング技術が高くなければ90度の方向にだけ力を入れるというのはかなり難しい。実際にはペダルが360度・1回転する間に少しずつ90度からズレが生じており、その分が積み重なってペダリング効率が落ちてしまうのが普通だろう。それでは、クランクに対して90度の角度からどの程度ずれるとどの程度のロスが発生するのだろうか。
ロード・レースの実力をつけようと思えば、普通は長期間にわたって継続的にトレーニングする必要がある。その途中には、どうにもうまくいかない時もあるかも知れない。その原因は一体何なのだろうか。これには様々な理由があると考えられるが、サイクリストが犯しやすいミスというのはあるようで、多くのコーチが本やネット上で指摘している。今回はそれらの中から『パワー・トレーニング・バイブル』の著者であるハンター・アレン氏が指摘する「ほとんどのサイクリストが犯す7つのミス」を一部補足を交えて紹介する。鵜呑みにする必要はないだろうが、長年のコーチ経験を踏まえたアドバイスであり、何らかの参考になる点があるかも知れない。
カフェインは、レース前に摂取することで疲労感を減少させやる気を高める効果があるといったことは比較的よく知られている。しかしレースや練習後に摂取した場合の効果は、あまり知られていないかも知れない。
ロード・レーサに限らず、トップ・アスリートの動きは美しいことが多いが、これは膨大を練習を積み重ねた結果、筋肉がもっとも効率的な動きを習得し、自然にいちばん合理的な方法で体が反応するようになっているからだと考えられる。つまり「動きに無駄がない」といえる。この「無駄のない動き」を完全に自分のものにするには、絶対的な練習量もさることながら、「無駄のない動きをしようと意識すること」つまり「正しい形(=動き)で練習をすること」がひじょうに重要になる。今回はこれに関する、宮澤崇史選手の興味深いブログを紹介する。
レース中に速いペースが続きボトルを取れない状況や、タイムトライアルやヒルクライムでそもそもボトルを持たないレースの最中に、口がカラカラに渇き不快な思いを経験したことはないだろうか。口が渇いてしまうとそれが気になって集中力が欠けてしまいパフォーマンスが落ちるリスクがあるが、この口の渇きを緩和する実にかんたんなテクニックがある。それは、次のような方法だ。
アタックはロードレースの展開に変化をつける大きな要因で、勝負のわかれ目にもなることも多い。アタックの練習はチーム練の時にするがベストだが、ローラーでもできる。今回は約40分程度のローラー用・アタックの練習メニューを紹介する。
ロング・ライドで疲労した身体をすばやく回復させるには、運動終了後のなるべく早いタイミングで(できれば30分以内に)炭水化物を摂取することが重要だといわれている。これによって練習やレース中に減少した筋グリコーゲンを素早く再充填できる。また同時にプロテインを摂取することが回復にプラスになるとの研究結果もある。今回は『THE FEED ZONE COOKBOOK』より、高炭水化物でタンパク質も含まれた、回復食として最適な「もち米とフルーツ」を使ったレシピを紹介する。
エコノミーは、VO2maxやLTといったことにくらべるとスポーツ科学の分野ではまだあまり研究が進んでいない分野といえる。短時間のレースではエコノミーが多少劣っていてもレース結果にはほとんど影響しないが、レース時間が長くなればなるほど、エコノミーの優劣がレース結果に大きく影響すると考えられる。今回は、ジョー・フリール氏のブログより、エコノミーの改善に関する研究事例などを紹介する。
レースで小集団になった時は、全員が協調してローテーションする場合が多い。しかし時には、明らかにまだ足が残っているにも関わらず先頭交代を拒否して着き位置に徹し、いわば「ただ乗り」を決めこむ選手もいる。これがゴールが近くなった段階の先頭集団であれば、ゴール・スプリントに向けて一人だけ足をためようとしている可能性が高いので、他の選手としては何らかの対策が必要になるだろう。今回は、そのような「ただ乗り選手」への対処方法を、『勝つための自転車レーステクニック』を参考に紹介する。
ロード・レースの終盤で糖質入りドリンクを飲むことに意味はあるのだろうか。ゴールまであとわずかな時に糖質を摂っても、消化が間に合わないので無意味にも思える。そもそも疲労困憊でとても飲み込む気になれないかも知れない。しかし、そのような場合でも「糖質入りドリンクで口をすすいだほうがよい」という興味深い研究結果がある。
ブリース・フェイユ(ソール・ソジャサン)の第16ステージでのパワー・データがSRMのブログで紹介されています。
L3(テンポ走)での練習は、LSDを含むL2やFTPの刺激効果が高いL4などと較べるとやや地味かも知れないが、ロード・レースの地力を養成する上で重要なトレーニング・ゾーンのひとつだ。パワー・トレーニング・バイブルの中でも「限られた時間のなかで、筋持久力を高めたいと思っているのであれば、このレベルでの練習が有効です」と説明されている。今回はbiketrainingtips.comより、L3を中心にした「筋持久力インターバル」を紹介する。
CICLOCLUBのオーナーであるグレーム・ストリートさん(L4:340W)による、一般のサイクリスト向けの「パワー・トレーニングの行い方」紹介のYouTube動画です。L1~4とSST(スウィート・スポット)でのトレーニング方法や効果について、実演しながら説明されています。
ストレッチにはさまざまな種類があるが、いちばん普及しているのが「反動をつけずに、息を吐きながらゆっくり静かに筋肉を伸ばしていく『スタティックストレッチ(静的ストレッチ)』」と呼ばれるものだろう。この静的ストレッチは過去何十年もパフォーマンスを向上させ、怪我や故障を予防する効果があるとして行われてきた。しかし、近年これと逆の研究結果が数多く示されている。今回は、『ストレッチまるわかり大辞典』『ダイナミック ストレッチング』を参考に、レース前や高強度の練習前に静的ストレッチをする時の注意点について紹介する。
グレッグレモンらを育てた名伯楽E・ボリセヴィチ氏は著書の中で「優秀なライダーは風邪をひきやすい」と述べている。これは「ロード・レーサーのように体脂肪率が異常に低いと免疫系に異常をきたすことがあること」を経験的に知っていたからだと思われる。このように、ただでさえ風邪を引きやすい傾向にあるロード・レーサーが、より風邪を引きやすくなるタイミングがある。それは、高強度の練習やレースの直後だ。
練習では体力を上げるのに十分な刺激を身体に加えるために「しっかり負荷をかけて練習すること」が大事になる。しかしレースで少しでもよい順位でゴールするためには、少し奇妙に思えるかも知れないが、この逆を心掛ける必要がある。今回は、「レースでパフォーマンスをよくするためのコツ」を、アームストロングのコーチを長年務めたクリス・カーマイケル氏らの著書『The Time-Crunched Cyclist』より紹介する。
「高強度練」や「レース」でかなり高い負荷がかかった場合や「筋トレ」「ランニング」をした後に、筋肉がむくみ激しい筋肉痛に襲われることがある。このようなケースで「回復を早め筋肉痛をやわらげる効果がある」といわれている方法に「アイスバス」がある。これはいわば「水風呂」「冷水浴」にあたるもので、必要に応じて氷を入れて温度調整することから「アイスバス」と呼ばれている。