もっと速くなるためのヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから紹介します。
32ページ中31ページ目LT向上に有効なトレーニングは「L4」「メディオ」が一般的だが、今回はbike training tips.comの著者やそのコーチ(オーストリア国立スポーツ研究所や英国サイクリング教会での指導経験あり)推奨の「秘密兵器」を紹介する(練習メニューの内容は「LTインターバル」)。この練習メニューはひじょうに効果が高く、同コーチによると「プロ選手の間でもひじょうに一般的」とのことだ。
高強度の練習の後の疲労回復に効果がある方法として、近年アメリカのトップ・アスリートの中で効果があると高い評価を得ているものに、NormaTec
MVPという四肢に圧力を加える機材がある。
ロード・レースに出場している選手であれば、経験的に気づいているかも知れないが、個人の最大心拍数はシーズン中にかなり変動する。
オフ・シーズンの過ごし方にはどさまざまな方法があるが、今回は、アメリカで『DaybyDay』というサイクリスト用のコーチング・サービスを行っているサイトのコーチであるベン・デイ氏のお奨めのオフ・シーズンのトレーニング例を紹介する。
冬の時期はLSDなどで持久力の基礎を高めることが最優先課題だが、人によっては(絶対的なパワー水準が低い場合などは)筋トレで筋力や筋ボリューム増強を図るのも有効になる。特に強い負荷をかける筋トレは、レース・シーズンが近づくと普段の練習に差しさわりが出る可能性があるので、なるべく早い時期に行った方がよいとされる。今回は所要38~50分の「ローラー用の筋トレメニュー」を紹介する。
自転車のトレーニングに関する情報を見ていると時々VO2max(ブイ・オーツ―・マックス、正式にはブイドット・オーツ―・マックス)という言葉が書かれています。この言葉もLT(乳酸閾値)と同じように、日常生活ではまず使わないのでピンとこないかと思います。VO2maxは日本語に訳すと「最大酸素摂取量」になります。このVO2maxは、じつは「LT」と同じようにロード・レーサーにとってとても重要な指標です。なにがそんなに重要なのでしょうか?
この時期でもまだロード・レースが開催されているが、寒い時期のレース前に注意が必要なのが、レース直前までなるべく体を温かい状態に保つことだろう。
ロード・レースのパフォーマンスには「練習時間をどれだけ確保できるか」が大きく影響するといわれている。短時間しか練習できなくてもロード・レースで上位に食い込みたいと思うのであれば、いかに練習効率を上げるかが重要になる。
疲労プロフィールとパワー・プロフィールは、自分の脚質を調べることができる便利なツールだ。これらを組み合わせて総合的に見れば自分の脚質をより深く分析し、より集中的に強化すべきトレーニング・ゾーンを明らかにすることができる。そのための改良版シートを作成した(以下リンク先のExcelファイルをご参照)。
山岳ステージとタイム・トライアルはステージ・レースにおいて大きなタイム差がつきやすく、ステージ全体の勝敗の分かれ目になることが多い。どちらも求められる運動能力は同じようなものではないかと思えるかも知れないが、トップ・クラスの選手の調査・研究結果では、両者には多くの相違点があることが示されている。
速くなろうと思うと、時にはきつい練習をしなければなりません。しかし意外かも知れませんが、きつい練習をしただけでは決して速くなりません。
持久力が基礎能力になるロード・レーサーにとって、これから冬の基礎期は1年でもっとも重要といえる。基礎期で「有酸素持久力」「筋力」「スピード・スキル」を十分に高めておけば、レースで必要な能力をその強固な基礎の上に積み上げることができる。冬の地道な練習が夏のレースの成績に大きく影響するわけであり「自転車選手は冬に作られる」という格言は今でもあてはまる。
■有酸素持久力を高める練習方法
ロード・レーサーにとって、いちばん大事な基礎能力は、有酸素持久力だ。これを高めるにはLSDやAeT(有酸素運動閾値・有酸素性作業閾値)*レベルでの運動が有効とされている。最適なAeTレベルの運動強度はFTPの55~75%で、レベルの高い選手であれば、65~75%程度の強度で練習した方が効果が大きい(心拍数の目安としてはLT心拍数の82~88%程度)。今回は、この有酸素持久力が十分なレベルに達したかどうかを確認する方法を紹介する。
オフ明けはプロを始めとするトップ選手はLSDからベースを作り直すことが多い。LSDの効果はひじょうに広範多岐にわたるが、その中でも特に重要なのが「心臓が1拍あたりに送り出す血液量(1回拍出量)」を増やす効果がある点だ。
1時間以上の練習やレースに出るのであれば、体の中に蓄えているエネルギー源だけでは足りなくなるので、補給食が必要になります。乗り始めたばかりの頃であればとても信じられないかも知れませんが、補給食は少し練習すれば走りながら食べられるようになります。
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、乳酸系のエネルギー供給回路を使って「短時間で高いパワーを出す場合の持久力を高める効果がひじょうに高い」ことが多くの研究で示されている。
ヨハン・ムセウは「フランドルのライオン」と呼ばれた1990年代から2000年代前半に活躍した当時最強のロード・レーサーの一人だ。彼は、何度も選手生命に関わるような深刻な怪我を負ったものの、そのたびに「段階的なトレーニング方法」「練習計画に対する信念」「練習時の集中力」によって見事に復活を果たし大活躍した。
テンポ走は、FTP比76~90%のレベルの多くのロード・レーサーにとっての主要練習ゾーンだろう。テンポ走は練習効果が高く、特に「限られた時間のなかで筋持久力を高めるのに有効」といわれている。今回は、ケイデンスに変化をつけた1時間強~1時間半弱程度の「ローラー用のテンポ走の練習メニュー」を紹介する。
ロード・レーサに筋トレが必要かは議論が多い話題だが、数ある筋トレのなかでも「自転車の推進力を生み出す筋肉の発達を促すのに最も効果的」といわれているのが、バーベル・スクワットだ。
心拍数やパワーなどを練習の指標とすることで、トレーニングをより科学的・効率的に行えるようになってきた。しかし注意が必要なのは、数字にとらわれすぎると実際の体の感覚とズレが出て、悪くすると逆にパフォーマンスが落ちることもある点だ(特に男性選手ほど、数字を重視し体の感覚を軽視する傾向があるとの指摘があるので、注意したほうがよいだろう)。
ペダリングは単純な動きのように見えてかなり奥が深い技術です。そのペダリングの中に「引き足」という動きがあるのを聞いたことがあるでしょうか?
「ケイデンス」ということばを聞いたことがあるでしょうか?これは自転車以外ではまず使わないことばですが、「ペダルの回転数」のことです。
昨日は「トレーニングの原則」とは何かということと、7つの原則の名前だけを紹介しました。本日は、その内3つをひとつずつ説明していきます。
過去にスポーツをしていた経験があるひとであれば、「トレーニングの原則」と聞いて「ああ、あれね」と思いあたるかも知れません。しかし中にはまったく聞いたこともないというひともいるでしょう。
計画を立てずにとにかくロードバイクに乗ってその日の体調と相談しながら練習メニューを決めるという方法で、かなり強くなる選手もいるが、レベルが上がれば上がるほど何らかの根拠にもとづいた体系的なトレーニングを行う傾向がある。ここでは「ピリオダイゼーション(期分け)」を用いたトレーニング計画の作成手順を紹介する。
ロードバイクでいちばん大切なのは持久力ですが、これはそう簡単に高いレベルまで上がりません。少しずつ地道に練習を積み重ねる中で、少しずつのびていきます。
スポーツ全般にいえることだが、ロードレースでも重要になるのが筋力の立ち上がりの速さだろう。最大筋力がいくら大きくてもロードバイクに乗っている時に、その限界まで発揮することはまずない。
ローラー練は、普通サイクルコンピュータに表示される心拍数とワット数とにらめっこをしながら行うことが多い。今回は、それとは逆にサイクルコンピューターを見ずにペダリングし、一定の時間間隔ごとに心拍数とワット数をあてるというゲーム的要素を加えた練習メニューを紹介する。
10年前までは、トレーニング方法の進歩や改善は、選手やコーチが自ら創意工夫して生み出すことがほとんどだった。しかしここ10年は、科学的なアプローチがトレーニング方法に大きな変革をもたらす傾向が続いているといわれている。
LSDなどにより持久力のベースができたところで、レースで必要となる強度に耐えれる体をつくるために、練習強度を少しずつ上げて行きます。
LSDは、有酸素運動能力の向上に広範で高い効果をもたらす練習方法のひとつだが、初心者と選手レベルではやり方や効果が異なり、また練習目的によっても多少やり方が変わる。効果が広範多岐にわたるLSDの方法論・効果・注意点について以下に整理した。
「昔は陸上の短距離走が速かったのに、ロード・レースのゴール・スプリントではいまいち力を発揮できない」というケースが時々ある。この原因は、単純にスプリント練習が不足している場合もあるが、ロード・レースで最重要となる持久力を鍛えるために長距離を走り込みすぎた結果、筋肉の種類が変わったことが原因になっている場合もある。
ロードレースのシーズンは、そろそろ終わりに近づいています。人によってはもうオフシーズンに入って、厳しい練習をせずに少し自転車から離れて別のスポーツをしたり、レースシーズンにはできないサイクリングのような景色を楽しむような走り方を始めている人もいます。個人差はもちろんありますが、だいたいのロードレーサーは、次のような感じで1年間を組み立てています。
ペダリングは単純な回転運動であるものの、どのタイミングでどの筋肉が動いているかは、初心者とレベルの高い選手でかなり違う。レベルの高い選手の方が初心者よりも力のかかり始めのタイミングが全般的に早いという特徴があるが、詳細にに見ていくと、初心者が特に使えていない筋肉とタイミングの組み合わせが2種類ある。
今やっているトレーニングの効果がいつごろ出るかが、気になったことはないだろうか。「今からこのトレーニングを始めて、次のレースに間に合うのだろうか?」「今から追い込んだ練習をやってしまうと、レース前の早すぎるタイミングでピークが来てしまわないだろうか?」といったことは、特に目標のレースが迫っている場合かなりシビアな問題に思えるかも知れない。
インターバル・トレーニングはロード・レースには絶対効果的だ。特にレースの最終版で勝負がかかった局面からゴールするまでや、先頭集団を追走する際のスピードを維持する能力は、圧倒的にこのインターバル・トレーニングで身に着けることができる。
初めてLTという用語を知った方は、「なんだろう」と首をかしげるかも知れません。ロードレース用語にはLSDのように日常生活では絶対使わないものの、ロードレース用語として重要な言葉がたくさんあります。LTはその代表格で、これを聞けばそのひとのおおよその持久力がわかる大事な指標です。
VO2max(最大酸素摂取量)は、有酸素運動の上限であり、FTPはVO2max以上には上がらない。逆に言えばVO2maxとFTPの間に大きな開きがあれば、FTPはVO2max近くまでまで上がる余地があるといえる。つまりVO2maxとFTPがわかれば自分のFTPの伸びしろがおおよそ推定できる。
LSDという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは「Long(長時間) Slow(ゆっくりと) Distance(距離を乗る)」 の頭文字をとったもので、自転車に限らず持久系のスポーツでは広く行われているトレーニング方法のひとつです。
パワー・メーターで最高出力の計測にチャレンジしてみると、重いギアよりは比較的軽いギアを高速で回した時の方が高いパワーが出やすいことが実感できるだろう。
LSDは、初心者にとっては「持久力を高める効果」が高く、レベルの高い競技者にとっても「高強度トレーニングの疲労を抜く」「コンディションを整える」「シーズン初期に高強度の練習を行うための土台を作る」といった意味で有効なトレーニング方法のひとつといわれている。
ロードバイクは筋力(筋肉が発揮できる"力"の最大値)の重要性が比較的低いスポーツであり、また筋肥大しすぎると上りで不利になってしまうので、筋トレの重要性は低いとの指摘がある。しかし短時間しか練習できない時に体に効果的に刺激を与えられることや、弱点部分を集中的に鍛えられるので、その意味では効果があるといえるだろう。ただし注意が必要なのは「筋トレだけ」しかしなければ、「使えない筋肉」が無駄に増えてしまうリスクがある点だ。
平日の練習は、どうしても朝か晩のどちらかになることが多いかも知れない。朝で問題となるのが食事量だ。どの程度食べるのが適切なのだろうか。
ロードレースでは、持久力・LTの高さ・スプリント能力など様々な能力が求められる。これらを一度にまとめて鍛えるようとしても無理なので「期間ごとに特定の能力を集中的に練習してレベルアップさせ、その間他の能力は維持する程度にとどめる」というのがピリオダイゼーション(期分け)だ。これにより各方面の力をバランスよく高め、高い総合力を身に着けることができると共に、ピーク調整も比較的かんたんになる。
FTPを超える強度で運動をすると、大量の疲労物質(指標:乳酸*)が生成される。レースでは、FTPを超える強度に入ってはそれ以下に戻るといった動きを頻繁に繰り返すので、このFTP以下に落ちたタイミングで疲労物質や乳酸を除去できる能力が高いか低いかがレース成績に大きく影響する。この疲労物質や乳酸を除去する能力強化にスポットを当てたトレーニングを2つ紹介する。
同じ体重で出せるパワーが向上すると、走行速度は上がる。速く走れる能力が高いほどレースでは有利なので、パワーを上げることに集中してトレーニングすれば、レースで出せるパフォーマンスの上限(潜在能力≒体力)が上がるといえる。しかし優勝するのは、「最もパワーを出した選手」ではなくあくまで「最初にゴールした選手」だ。
長期間の練習やレースの中断につながってしまうリスクが高く、なるべく避けたいもののひとつに「オーバートレーニング」がある。
運動を行う前にカフェインを摂取すると、その後数時間にわたって有酸素運動時における筋肉での糖質に対する脂肪の利用割合が増加する。その結果、筋グリコーゲンの使用量を節約できるので、持久力がわずかながら増強される効果が期待できるといわれている。
レースで勝つのは、最良のコンディションであってもひじょうに苦しいので、よほど集中し勝利への執着がなければ優勝するのは難しい。ロードレースでは、優勝した選手の方がその他の選手よりも疲労困憊しているケースが多いが、それは自分の力を100%出し切っている証拠といえる。多くの選手は自分の全力の70~80%までは呼び出せるが、100%まで絞り出せる人は少ないように思われる。しかしトレーニングでこのレベルを高めることはできる。