TSB・CTL・ATLは、オーバートレーニングを防ぎながら計画的に体力アップを図るさいの、体調管理・計画立案や、重要レースに向けたピーキングを数値で管理できる優れた指標のひとつといえる。比較的新しいコンセプトなので、まだ研究の余地は残されているものの、現段階でもある程度参考になるガイドラインが示されている。今回は、『パワー・トレーニング・バイブル』や『鈍行・中目黒の自転車メモさん』のブログなどを参考に、TSB・CTL・ATLの活用のガイドラインや注意点に関する情報を整理した。
>年間トレーニングの計画や、ピーキング調整に使える指標のひとつにTSBがある。他方、WKO+などのソフトでは、TSBに関連する指標の過去の推移はチェックできても、将来のシミュレーションをすることはできない。今回は「どのタイミングでどの程度のTSSを積み上げれば、TSBとCTLを絶妙のバランスにもっていけるか」 をかんたんにシミュレーションできるExcelシート(試作品)を紹介する。
自分の体力が向上しているかを確かめるためには、定期的にFTPなどのテストを行う方法が有効だ。同じテスト・メニューに取り組むだけでもある程度の傾向がつかめるが、テストの時の条件をなるべく同じにすれば、より正確にテスト結果を比較することができるだろう。今回は『PERFORMANCE CYCLING』などを参考に、テスト実施前のガイドラインを紹介する。
シーズン初期のレースでは、レース用の身体ができておらず苦しい思いをするケースがあるかも知れない。今回はTRAINING4CYCLISTS.com などを参考に、レースの初戦からよいパフォーマンスを上げるための「プレ・シーズンのトレーニングのヒント」を紹介する。
西薗良太選手による自転車トレーニングの講習会の動画です。トレーニングの基礎~グループ・ライドでの注意点(全員が効果的に練習するための方法)までわかりやすく説明されており、参考になる内容です。おすすめです。
ピリオダイゼーション(期分け)を用いたトレーニングを行う時に一般的なのは、「3週間トレーニングを行い1週間の回復週を挟む」という方法だろう。この目的は、ある程度まとまった期間トレーニングを継続し身体に「体力向上に必要な刺激」を十分に与えたあと、しっかり回復期間を取ることで体に「適応する時間」を与え、超回復を促すことにある。また疲労をしっかり抜けば、さらなる体力アップのために必要な「より強い負荷」をかけた練習にも取り組めるだろう。しかし、このトレーニング3週間と回復1週間というのはあくまで目安であり、年齢・回復力・レーススケジュール・日常生活での疲労度合などにより、ある程度柔軟に変えていく必要がある。今回は、biketrainingtips.comを参考に「トレーニング期間と回復期間の割り振り方のコツ」を紹介する。
ロード・レースでは有酸素運動能力~スプリント能力までさまざまな運動能力が必要になるが、ベースになるのは有酸素運動能力だ。有酸素能力はVO2maxやLTなどが代表的な指標だが、それらには「遅筋繊維の割合」「毛細血管密度」など、さまざまな身体組成が関わっている。それでは競技レベルによって、それらの数字はどの程度変わるのだろうか。今回は『スポーツ運動科学』で示されているCoyleらの研究結果をもとに、これらの具体的な数値を紹介する。
伝統的なピリオダイゼーションの方法では、基礎期間には少しずつ練習強度を上げ練習時間を延ばしていく手法を取る。今回は、このシーズン初期の段階で、むりなく安全に練習量(時間や距離)を増やしていく目安を『SERIOUS CYCLING Second Edition』を参考に紹介する。
期分け(ピリオダイゼーション)の手法を用いて練習計画を立てる時中心になるのは「メソサイクル」だが、他にも「マクロサイクル」「マイクロサイクル」というものもある。今回は、それぞれの概略を説明し「メソサイクル」の年間計画の具体例を紹介する。
ロード・レースで速く走れる実力をつけるには、通常は数年はかかるといわれている。その間、目標を立てコツコツと継続的・計画的に練習していく必要があるが、これを実行するのに有効な方法のひとつが「実際に目標を書きつけること」だ。目標を策定し練習計画に落とし込み(書き落とし)それを日々見直すと、「やる気」を持続しやすい。また当初の計画に対する進捗状況を把握し、シーズンが終わった時には当初計画に対してどうだったかを振り返ることもできるだろう。今回は年間練習計画の大枠を策定するのに役立つ書式を紹介する。<
ロード・レースのパフォーマンスには「練習時間をどれだけ確保できるか」が大きく影響するといわれている。短時間しか練習できなくてもロード・レースで上位に食い込みたいと思うのであれば、いかに練習効率を上げるかが重要になる。
心拍数やパワーなどを練習の指標とすることで、トレーニングをより科学的・効率的に行えるようになってきた。しかし注意が必要なのは、数字にとらわれすぎると実際の体の感覚とズレが出て、悪くすると逆にパフォーマンスが落ちることもある点だ(特に男性選手ほど、数字を重視し体の感覚を軽視する傾向があるとの指摘があるので、注意したほうがよいだろう)。
昨日は「トレーニングの原則」とは何かということと、7つの原則の名前だけを紹介しました。本日は、その内3つをひとつずつ説明していきます。
過去にスポーツをしていた経験があるひとであれば、「トレーニングの原則」と聞いて「ああ、あれね」と思いあたるかも知れません。しかし中にはまったく聞いたこともないというひともいるでしょう。
計画を立てずにとにかくロードバイクに乗ってその日の体調と相談しながら練習メニューを決めるという方法で、かなり強くなる選手もいるが、レベルが上がれば上がるほど何らかの根拠にもとづいた体系的なトレーニングを行う傾向がある。ここでは「ピリオダイゼーション(期分け)」を用いたトレーニング計画の作成手順を紹介する。
ロードバイクでいちばん大切なのは持久力ですが、これはそう簡単に高いレベルまで上がりません。少しずつ地道に練習を積み重ねる中で、少しずつのびていきます。
10年前までは、トレーニング方法の進歩や改善は、選手やコーチが自ら創意工夫して生み出すことがほとんどだった。しかしここ10年は、科学的なアプローチがトレーニング方法に大きな変革をもたらす傾向が続いているといわれている。
LSDなどにより持久力のベースができたところで、レースで必要となる強度に耐えれる体をつくるために、練習強度を少しずつ上げて行きます。
「昔は陸上の短距離走が速かったのに、ロード・レースのゴール・スプリントではいまいち力を発揮できない」というケースが時々ある。この原因は、単純にスプリント練習が不足している場合もあるが、ロード・レースで最重要となる持久力を鍛えるために長距離を走り込みすぎた結果、筋肉の種類が変わったことが原因になっている場合もある。
ロードレースのシーズンは、そろそろ終わりに近づいています。人によってはもうオフシーズンに入って、厳しい練習をせずに少し自転車から離れて別のスポーツをしたり、レースシーズンにはできないサイクリングのような景色を楽しむような走り方を始めている人もいます。個人差はもちろんありますが、だいたいのロードレーサーは、次のような感じで1年間を組み立てています。
今やっているトレーニングの効果がいつごろ出るかが、気になったことはないだろうか。「今からこのトレーニングを始めて、次のレースに間に合うのだろうか?」「今から追い込んだ練習をやってしまうと、レース前の早すぎるタイミングでピークが来てしまわないだろうか?」といったことは、特に目標のレースが迫っている場合かなりシビアな問題に思えるかも知れない。
ロードレースでは、持久力・LTの高さ・スプリント能力など様々な能力が求められる。これらを一度にまとめて鍛えるようとしても無理なので「期間ごとに特定の能力を集中的に練習してレベルアップさせ、その間他の能力は維持する程度にとどめる」というのがピリオダイゼーション(期分け)だ。これにより各方面の力をバランスよく高め、高い総合力を身に着けることができると共に、ピーク調整も比較的かんたんになる。
本や雑誌に書かれた言葉は大きな助けになるが、実際にコーチと一緒に練習すれば、それ以上の成果が得られる可能性もある。しかし日本ではサイクリスト向けのコーチはまだ多くはないので、初心者であれば近くのチーム(ショップ主催のチームなど)に連絡を取り、一緒に喜んで教えてくれるコーチにつくことが現実的かも知れない。
サイクリングの習熟に要する期間を調査した資料によると、トレーニング開始後7年間は身体能力が改善すると考えられている。この間にトレーニングやレースに関する方法論を学び、生活習慣も変えていくことになる。7年経過後も、その後少なくとも3年間はパフォーマンスの向上は継続し、この傾向は何歳でトレーニングを開始したかには関係なくあてはまるといわれている。
無酸素トレーニング(持続時間2分以内のインターバル<ソリア>やスプリント練)は、心身に大きな負担がかかり、やり方を間違えると意味がないばかりか危険な場合もある。
パワー トレーニング バイブルの著者が、200名の選手に自己ベストのパワーが出た際のTSB(トレーニング・ストレス・バランス)を聞き取り調査したところ、持続時間が5分未満の運動については、TSBがプラス寄り(疲労が抜けた状態の時)にベストが出る傾向にあることが明確に確認された。