スポーツ・トレーニングの常識では、今と昔でまったく逆のものもある。その代表例のひとつが「水分補給」だろう。今回は水分補給関連した、「水分減少量の影響」や「最適なドリンクの温度」について紹介する。
若い選手にありがちな失敗は「パフォーマンスに悪影響があるトレーニングや生活習慣をしがちなこと」だが、それでも若さゆえに高いパフォーマンスを発揮することができることが多い。年齢を重ねるにつれそういった失敗は犯さなくなるものの、特に50歳を超えると体に変化が現れる。今回は、ジョー・フリール氏のブログを参考に、「体の変化」を踏まえたシニア選手の「トレーニング」と「回復」の重要ポイントを紹介する。
レースの大事な局面で足がつってしまい、どうにも踏めくなった悔しい経験をしたことがないだろうか。足がつる原因は、従来発汗による電解質不足と考えられていたが、これを否定するような研究結果があり、実際には科学的に解明されていないといえる。原因がはっきりしていないので、「これをすれば必ず足つりを防止できる」という決定的な方法は、残念ながら現段階ではない。しかし最近、足つり予防に役立ちそうな興味深い研究事例も出てきている。今回は、足つりのメカニズムとして現段階で有力な説や、予防や対処方法に役立つ可能性がある情報について紹介する。
前回、カーディアック・ドリフトについて紹介したが、実際にどの程度の体内の水分が失われたら、どの程度心拍数が上がるのだろうか。今回は『SERIOUS CYCLING Second Edition』を参考に、この関係についてのおおまかな指標である「心拍数 ヒート・ストレス・インデックス」を紹介する。
長時間のロード・レースや練習では、パフォーマンスの急激な低下を防ぐために水分とエネルギー補給が欠かせない。しかし補給食をたくさん食べすぎると胃腸に過度に負担がかかり、結果としてパフォーマンスの低下につながってしまうリスクがある。それでは、長時間のレースや練習中にはどの程度のカロリーを摂取するのが適当なのだろうか。今回は、運動中の炭水化物摂取量の目安を紹介する。
日本人にはどちらかというとなじみが薄いオートミールだが、栄養豊富なうえに軽く煮るだけでお粥状になり手軽に食べられる優れた食材だ*。味は淡泊なので、甘い味付けでも和風でも中華でもいかようにもアレンジできる。プロ・サイクリストのレース前の朝食の定番は米かパスタだが、レディオ・シャックは2011年のツアー・オブ・カリフォルニアでオートミールを朝食として使い、クリス・ホーナーが見事総合優勝した。その意味でオートミールはロード・レーサの朝食として十分使えるといえるだろう。アームストロングのコーチを長く務めたクリス・カーマイケル氏も練習前の食事としてオートミールをすすめている。今回は『THE FEED ZONE COOKBOOK』より、ランス・アームストロングらトップ・サイクリストらの食事を作ってきた経験をもつビジュ氏による「ロード・レーサー向け朝食用オート・ミールのレシピ」を紹介する。
パフォーマンスを上げるのにいちばん大事なのは、「適切な時間・頻度・強度で練習し、食事から適切な栄養を摂り、よく眠ること(回復させること)」といわれている。しかし「少しでも回復を早めるため」「少しでも高強度のアタックに耐えられるようになるため」「普段の食事で栄養が足りていないのでそれを補うため」にサプリを使う場合もあるかも知れない。しかしサプリは通常安くはないので「本当に効果があるのか」「科学的に証明されているのか」ということが気になるのではないだろうか。今回は、サプリについて信頼できる情報を入手できるサイトを紹介する。
BCAA(分枝鎖アミノ酸)は、長時間の運動中のパフォーマンスや疲労回復に効果があるといわれており多くのサプリが市販されている。実際に使用して「かなり効果があった」という話もよく聞く。しかし科学的には結論が出ておらず「絶対に効果がある」とは言い切れないのが現状だ。今回は、現段階でわかっているBCAA摂取の「プラス効果」「マイナス面」(潜在的なものも含む)と「摂取のガイドライン」を紹介する。
ロング・ライドの際はコンビニを使うことが多いかと思うが、自分でおにぎりなどの補給食を作って持参する場合もあるだろう。今回は、RadioShackやガーミンででスポーツ科学の責任者を務めつつコックとしてアームストロングを始めとするプロ・サイクリスト向けに料理をしていたという珍しい経歴を持つアレン・リム博士による、サイクリスト向けの補給食のレシピを紹介する。
1時間以上の練習やレースに出るのであれば、体の中に蓄えているエネルギー源だけでは足りなくなるので、補給食が必要になります。乗り始めたばかりの頃であればとても信じられないかも知れませんが、補給食は少し練習すれば走りながら食べられるようになります。
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、乳酸系のエネルギー供給回路を使って「短時間で高いパワーを出す場合の持久力を高める効果がひじょうに高い」ことが多くの研究で示されている。
平日の練習は、どうしても朝か晩のどちらかになることが多いかも知れない。朝で問題となるのが食事量だ。どの程度食べるのが適切なのだろうか。
運動を行う前にカフェインを摂取すると、その後数時間にわたって有酸素運動時における筋肉での糖質に対する脂肪の利用割合が増加する。その結果、筋グリコーゲンの使用量を節約できるので、持久力がわずかながら増強される効果が期待できるといわれている。
運動中に体重のたった2%(体重60㎏であれば、たった1.2㎏)の体液が失われただけで心拍数や体温が上昇する。またこのレベルから有酸素運動の能力が低下し始める。
自然界には、200種類もの単糖があるが、ブドウ糖は中枢神経の唯一のエネルギー源で、その血中濃度(血糖値)が下がると、直接パフォーマンスの低下につながる。よってレース中はなるべく血糖値を安定させることが重要になるが、この時に理想的なのが、デキストリンといわれている。