もっと速くなるために参考になるじてトレ出版物の立ち読み版です。
12ページ中12ページ目体力や体調は、絶えず変化しています。練習を頻繁に休めば体力は次第に低下していきますが、だからと言って病気のときも練習をすべきではありません。
身体は反復的な練習によって強化されます。できるだけ毎週、ほぼ同じような内容のトレーニングを行うようにしましょう。規則正しいトレーニングは、良い変化をもたらします。
練習の強度に留意しながら、慎重かつ着実に進歩をしていくことで、次第に能力が高まるだけでなく、練習以外の日常生活のための時間とエネルギーも確保しやすくなります。
つまり、「トレーニングの限定」とは、常に軽めの練習をすることではなく、ときには練習量を多めにすることが必要になること(ただし、必ずしも限界まで追い込まなくてもよい)を意味します。
本書で紹介するトレーニング理念は、通説とは異なるものに思えるかもしれません。しかし、この理念に従い、真剣にトレーニングを行えば、必ず能力を伸ばせます。
一方、私は様々な競技の大勢のアスリートに、彼らが通常こなしてきたよりも少ない量のトレーニングプログラムでの指導を行ってきました。
私はこれらの研究結果からも、常に体と脚を疲労させた状態にしておくことは、アスリートにとって良くないことだと考えています。常に全身を疲労させている選手は、それによって何らかの魔法のような効果を得ているのでしょうか?
疲労とスピードには関係があるのでしょうか。つまり、強い疲れを感じるほどのトレーニングを連日行えば、速く走れるようになることは、科学的に証明されているのでしょうか。
また本書が、レースパフォーマンスを最大限に高めるための唯一のトレーニングのシステムや手法を提示するものではないことにも留意してください。システムや手法は、コーチとアスリートの数だけあるのです。成功を保証してくれるたった一つの「正しい」方法や秘策はありません。
他にも、検討すべき要素はいくつもあります。本書に自分にぴったりの詳しいトレーニング計画が書かれていることを期待している読者もいると思いますが、このような様々な要素があることを考えれば、個人にとって最適なトレーニング計画を作成することが簡単でないとおわかりいただけると思います。
競技を始めた頃には目立った能力を見せなくても、数年後には一流のアマチュア/プロ選手として世界の頂点に立つ人がいます。一方、早くから才能を発揮しながら、次第に伸び悩み、持てる力を十分出し切れないまま競技生活を終える人もいます。この違いはなぜ起こるのでしょうか。
ただし、精神力を鍛えるための方法はあります。もっとも効果的なのは、コーチと同じような形で、スポーツ心理学者のサポートを受けることです。
私の経験では、精神力に関するこれらの4つの資質のうち1つが欠けていると、選手は最高の目標には到達しにくくなります。そして、これらすべての資質を、高いレベルで兼ね備えている選手はほとんどいません。
優れた選手は、目的のないトレーニングはしません。他の選手のトレーニング計画をやみくもに真似たりもしません。勝敗を分けるのは、紙一重の差であることが多いと知っているからです。
優れた能力を持ち、大きな夢を抱いている選手でも、周囲のサポートがなければレースには勝てません。周囲のサポートとは、同じ目標(ミッション)を共有し、それに向かって努力をする人々の存在です。
エディ・メルクス、ベルナール・イノー、グレッグ・レモン、ランス・アームストロングなどの名選手たちの名前を聞いたとき、何が心に浮かびますか?
サイクリストとしての潜在能力が世界一高い人が、太り過ぎで運動不足の喫煙者であることは十分に考えられます。今、世界のどこかでソファに身を沈めてテレビを見ている誰かが、自転車競技の史上最高の世界チャンピオンになる才能を持っているかもしれないのです。
サイクリングを始めた時期や、競技や練習にかける情熱の程度にかかわらず、大切にすべき考え方があります。それは、スポーツでよい結果を出すことを「ゴール」ではなく「通過点」と見なすというものです。
モチベーションの高いサイクリストには、自転車競技へのあふれんばかりの情熱があります。情熱の程度は、自転車に乗る、自転車の手入れをする、自転車に関する本や雑誌を読む、自転車仲間と関わる、自転車について考えるなどの行為に、どれだけの時間を費やしているかでも測れます。
では、対象のスポーツに求められる生まれつきの身体能力が自分にどの程度あるかや、最大の潜在能力にどれくらい近づいているかを知るためには、どうすればよいのでしょうか。
私はコーチとしての過去30年の経験から、スポーツに熟達するためには一定の年数が必要だとするこうした科学的研究の成果は、サイクリングにも当てはまると考えています。
ランス・アームストロング、タイガー・ウッズ、マイケル・ジョーダンはよく、それぞれのスポーツにおける史上最高の選手であると称えられています。そのような世界最高の選手と、その他の大勢の一流選手との違いは何なのでしょうか。
では、体力とレースパフォーマンスを向上させるために、何から始めればよいのでしょうか。その第一歩は、日々の生活に小さな変化を取り入れることです。
つきつめると、私たちサイクリストが追い求めているものは体力の向上です。その実現のためには、負荷、休養、栄養の3つの要素が重要です。表1.1に、練習、睡眠、食事を1日の生活にどう組み込むかについての例を示します(表1.1は立読み版では割愛します)。「ここまで自転車中心の毎日を過ごすのは難しい」と思う人もいるかもしれません。
「言うは易く、行うは難し」の名言にもあるように、レースが始まる前、大きな夢を抱き、目標を高く掲げることは簡単です。しかし、その決意(コミットメント)は、言葉ではなく行動によって試されます。■2012年の11~12月をめどに発売予定の『サイクリスト・トレーニング・バイブル(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE』)の立ち読み版(暫定版)です。■
SRMを使用する際は, パワー・メーターに負荷がかかっていない状態でのワット数を確実にゼロにするために, 毎回「ゼロ・オフ・セット(zero-offset)」か「ゼロ・ポイント(zero-point)」の操作をする必要があります。
過去数年にわたり, 無線技術の進歩がパワー・メーターに大きな影響を与えました。2006年末に, カナダのダイナ・ストリーム(DynaStream)という会社がガーミン社(Garmin)に買収されました。この会社は, パワー・メーターのサイクル・コンピューターが他のパワー計測機とも交信できる「共通言語」を開発していました。これは超低電力の無線通信規格で「ANT+」と呼ばれ, これがサイクリング界に多大な恩恵をもたらしたのです。
たいていのサイクリストやトライアスロン選手は, 一度, パワー・メーターのことやそのメリットを耳にし, ライバルたちがレースや練習でパワー・メーターを使っているのを見たら, こう聞きます。「どれが自分にぴったりなのだろう」他には, 次のような質問をするでしょう。
書評 「本書は, パワー・メーターの世界的権威によるパワー・トレーニングの最高の指南書だ」-ジョー・フリール 世界的に著名なコーチで『サイクリスト・トレーニング・バイブル』の著者 「本書には今までトップ・プロしか知らなかった情報が詰まっていて, それを惜しげもなく一般のサイクリストに教えてくれる」-コンペティション・マガジン 「本書はもっと強くなりたいと思っているトライアスリートの必読書だ。本書のステップを踏んでいけばパワー・データの意味を理解し日々のトレーニングに応用できるようになる。私も本書のおかげでFTP が30W も上がった」-テラ・カストロ, トライアスロンのプロ選手 「パワー・メー……