もっと速くなるために参考になるじてトレ出版物の立ち読み版です。
12ページ中3ページ目このメニューは、レースのシミュレーション用です。初心者は、クルーズ・インターバルの強度を落としてください。
ローリング・スタートにしないでください。全身の力を使って、ペダルを踏み込みましょう。
パワー・メーターで、足の強さの左右差を比べてみましょう。初心者は、1セットあたり3本にとどめてください。
回復インターバルは短いですが、スプリントの時には全力を振り絞ってください。スプリント・パワーの強化に効果のあるメニューですが、脚がフレッシュな時にだけ行うようにしましょう。
スプリントの最後に100rpmに達するよう、全力で踏んでください。初心者は、コンディションが上がってくるまでスプリントは4本にとどめましょう。
ダンシングでのスプリント中は、坂の頂上をイメージしましょう。初心者は、スプリントの本数を5本から始めてください。
最後のセットでは、あたかもレース最終局面のように感じるはずです。追走集団から逃げ切るイメージを持って、きつくなってももうひと頑張りしてスピードを維持しましょう。
最大限の努力度の運動を行う時の回復インターバルを短時間に設定することで、無酸素運動時のスピードを向上させることができます。このメニューは、クリテリウムやMTBのショート・トラック・レース対策に向いています。
このメニューのあとには、少なくとも1日は休息日を設け、しっかり体を回復させましょう。
このメニューは、強化期に取り組むとよいでしょう。MTBの選手とロード・バイクの選手に最適です。
初心者は、最初のセットのインターバルを12~15分に短縮し、慣れてきたら徐々に延ばしていきましょう。
ラスト5分は、「Z5 / RPE17~18 / CP30」まで強度を上げましょう。
このメニューは、レースに備えた体作りをする基礎期の終盤に取り組むとよいでしょう。
このメニューは、強化期など、持続時間の長いメニューに重点的に取り組むタイミングで行うとよいでしょう。インターバルの時間は、体力レベルに応じて適宜短縮しても構いません。
高いケイデンスで回している間は、脚全体を極力リラックスさせてください。進歩の度合いをチェックするために、平均ケイデンスを記録しておきましょう。
上半身をリラックスさせ、高ケイデンスで坂を上るイメージで行いましょう。
このメニューにしっかり取り組んでおけば、レース当日にトランジションがスムーズにいくでしょう。
基礎期を通じて漸進的に体力を高めていくためには、その時点の体力をわずかに上回る程度にトレーニング負荷を徐々に増やしていくことが必要です。トレーニング負荷が変わらなければ、何週間トレーニングを続けても体力レベルは変わらず、特に目立った向上は得られません。トレーニング負荷を減らせば、体力は低下してしまいます。つまり、トレーニングの方法によって、体力は維持することにも、高めることにも、低下させることにもなるのです。
より速く、より長く走るためには、基礎的な体力要素と高度な体力要素の両方を鍛える必要があります。基礎的な体力要素は「持久力」「筋力」「効率」です。高度な体力要素は「筋持久力」「無酸素持久力」「スプリント・パワー」です。高度な体力要素のうちの何が能力を伸ばすうえでの妨げになっているのか、たいていのサイクリストにはわかります。しかし、高度な体力要素の向上はすべて基礎的な体力要素次第であるということを、多くのサイクリストは理解していません。もちろん、高度な体力要素を鍛える必要はあります。しかし、筋持久力の向上には、持久力と筋力をどれだけ構築しているかに大きく影響されます。同じく、無酸素持久力の向上には持久力と効率が、スプリント・パワーの向上には筋力と効率が重要になります。基礎的な体力要素をしっかりとつくり上げているかどうかが、高度な体力要素の向上を左右するのです(図6.1を参照)。
レースのハードな局面で、苦しさを感じ始めたとき、何が生じるのでしょうか。それまで以上にハードに走るときに重要なものが、体力から精神力に切り替わるポイントがあります。
トレーニングや試合に、否定的な考えで臨んでいるアスリートが多いことには驚かされます。「失敗してしまった」「この坂は上れない」「このレースではうまく走れた試しがない」などのネガティブな言葉に囚われてしまうと、その言葉が現実化しやすくなってしまいます。「このレースから学ぶことがあった」「登坂能力強化のための練習に取り組んできた」「今回はレースに向けてよい準備ができた」など、肯定的に考えるようにしましょう。
ベーストレーニングは、メンタルを鍛える絶好のタイミングです。メンタル・スキルがリミッターであると考えられるアスリートは多いものの、それを自覚し、対処しているケースはほとんどありません。彼らはジムに行き、走り込み、食べ物にも気をつけていながら、目標達成の妨げになっているかもしれないメンタル面については、取り組もうとしないのです。
冬のトレーニングに高強度インターバルトレーニングを取り入れてもよいのでしょうか?これは、議論の多い話題です。10人のコーチに質問すれば、10通りの回答が返ってくることでしょう。
リミッターは、体力だけではありません。長い距離を走るときには、たとえペースが特に速くなくても、疲労からくる不快さに耐えながら、「走り続けよう」と自分に言い聞かせなければなりません。
上半身の動きを最小限に抑えましょう。上っている最中でも「ハンドルバーの上でピアノを弾ける」くらいのイメージで行ってください。
寒さや暑さの厳しい地域に住んでいる場合、天候がトレーニングに影響を及ぼすことがあります。
全力を出し切りましょう。低ケイデンスで最大限の力を振り絞ることが重要です。
アスリートが直面する最大の問題は、望み通りのトレーニングをするための時間がとれないことです。私たちは、1週間、1日という限られた時間のなかで、仕事、家庭、人づきあい、諸々の用事(私の場合は本を執筆する時間も)を行わなくてはなりません。その忙しい日々のなかで、食事、トレーニング、シャワー、自転車の整備、パンクの修理、レースへの登録、見栄えのよいスパンデックス製ウェアの購入などをするための時間も捻出しなければならないのです。サイクリストにとって、時間は常にリミッターです。しかし、限られた時間をうまく管理し、効果を上げることは可能です。
このメニューは、筋力がリミッターになっている人向けです。
これが当てはまるのは、タイプ IIの速筋線維の割合が多い、爆発的なパワーを発揮できる選手だと考えられます。
パワー・ウェイト・レシオと筋持久力は優れているが、スプリント・パワーと無酸素持久力が足りないことが考えられます。
全体を通して、まずは自分の感覚をもとに強度レベルを推定してから、実際の心拍数やパワーの数値を確認しましょう。
ヒルクライムが得意か否かにかかわらず、下りで後れをとることがあります。これはたいてい、技術的な問題です。
全体を通して、まずは自分の感覚をもとに強度レベルを推定してから、実際の心拍数やパワーの数値を確認しましょう。初心者の場合は、3×15:00に時間を短縮してください。
ヒルクライム(上りでのタイムトライアル)でも、筋持久力、パワー・ウェイト・レシオ、ペース配分、長時間のきつい走行に耐える精神力が重要です。
タイムトライアルが得意であれば、おそらく筋持久力が十分に高まっていると考えられます。タイムトライアルでの成功は、空力に優れた効率的なポジション、適切なペース配分、長く厳しい運動に耐える強い精神力などに左右されます。
臀部の筋肉を鍛えるためにシッティング縛りとします。アウターとインナー、両方のチェーンリングを使って行いましょう。
「上りが得意でレースも完走できるが、スプリントで競り負ける」 これが当てはまる人は、集団走行の技術が高く、筋持久力も優れているが、絶対パワーと爆発的パワーが不足していると考えられます。
1時間の平均パワーが250Wだとすれば、平坦コースでは平均パワーが225Wの選手よりも速く走れます。しかし、250Wの選手が、上りでも同じように速く走れるとは限りません。
平坦なコースで急にペースが上がり、短距離を激しく走らなければならなくなる状況が苦手で、次の激しい走りまでに回復ができない場合、無酸素持久力がリミッターだと考えられます。
山岳コースでのレースの上りで遅れてしまうのであれば、持久力と筋力が組み合わさってリミッターになっていると考えられます。
体力の構成要素のうち、あなたの強みになっているものと、目標達成の妨げになっているものはどれでしょうか?アスリートと面談をすると、たいていのケースで、強化すべき領域が見つかります(それを裏付けるパワー値がわかると、より効果的です)。ただし、リミッターを細かく見極めるのは簡単ではありません。多くの場合、複数の基礎的な体力要素が(それぞれの度合いは異なるものの)弱点の原因になっているからです。もし高度な体力要素の1つがリミッターである場合、その能力を支えている基礎的な体力要素に注目しなければなりません。これらの基礎的な体力要素こそが、真のリミッターなのです。
基礎期前期のトレーニングを開始する前(準備期)に、完了しておかなければならないことがいくつかあります。これは、年間トレーニング計画の作成が重要な理由でもあります。事前にトレーニング全体を計画し、最初の重要なレースの前に特化した高度な練習ができるように、それまでに基礎期のトレーニングを終えておく必要があります。
回復のプロセスは、練習を基準にして、「練習前と練習中の回復」「練習直後の回復」「長期的な回復」の 3つの段階に分けることができます。各段階の回復計画を慎重に立てることで、回復を早め、次の練習の質を上げ、効果を高めることができるでしょう。
私は、レースシーズン前にリード・アウトの練習をするチームが少ないことに驚いています。チームでリード・アウトの技術を磨いておくことは重要です。優れたリード・アウトは、芸術的でもあります。プロツアーのトップチームのような域に達することはできないかもしれませんが、技術が高まるほど、チームのスプリンターが勝つ確率は高まります。ベーストレーニングでのリード・アウトの練習は若干時期的に早いかもしれませんが、早く始めればそれだけの効果が見込めます。