もっと速くなるために参考になるじてトレ出版物の立ち読み版です。
12ページ中4ページ目体力の構成要素のうち、あなたの強みになっているものと、目標達成の妨げになっているものはどれでしょうか?アスリートと面談をすると、たいていのケースで、強化すべき領域が見つかります(それを裏付けるパワー値がわかると、より効果的です)。ただし、リミッターを細かく見極めるのは簡単ではありません。多くの場合、複数の基礎的な体力要素が(それぞれの度合いは異なるものの)弱点の原因になっているからです。もし高度な体力要素の1つがリミッターである場合、その能力を支えている基礎的な体力要素に注目しなければなりません。これらの基礎的な体力要素こそが、真のリミッターなのです。
基礎期前期のトレーニングを開始する前(準備期)に、完了しておかなければならないことがいくつかあります。これは、年間トレーニング計画の作成が重要な理由でもあります。事前にトレーニング全体を計画し、最初の重要なレースの前に特化した高度な練習ができるように、それまでに基礎期のトレーニングを終えておく必要があります。
回復のプロセスは、練習を基準にして、「練習前と練習中の回復」「練習直後の回復」「長期的な回復」の 3つの段階に分けることができます。各段階の回復計画を慎重に立てることで、回復を早め、次の練習の質を上げ、効果を高めることができるでしょう。
私は、レースシーズン前にリード・アウトの練習をするチームが少ないことに驚いています。チームでリード・アウトの技術を磨いておくことは重要です。優れたリード・アウトは、芸術的でもあります。プロツアーのトップチームのような域に達することはできないかもしれませんが、技術が高まるほど、チームのスプリンターが勝つ確率は高まります。ベーストレーニングでのリード・アウトの練習は若干時期的に早いかもしれませんが、早く始めればそれだけの効果が見込めます。
スプリント・パワーを強化するということは、より大きな抵抗に瞬時に打ち勝つ能力を高めるということです。つまり、より重いギアをより速く回せるようになる必要があります。
少なくとも20分ウォーミングアップをします。徐々に強度を上げていき、最初の15分はケイデンスを高めに保ってください。
定期的にテストを実施することで、現在の体力レベルの客観的な基準を把握することができ、それをもとに、より具体的な目標設定を行えます。テスト結果からかなり大きく進歩したことが確認できれば、自信がつき、達成感も得られることでしょう。
CPは、ある持続時間(単位:分)での最大平均ワット数のことです。
ボルグ・スケールはRPEのシンプルな計測方法で、トレーニングや競技時の強度レベルの測定に使用します。
「プロテイン(タンパク質)」という言葉は、ギリシャ語で「第 1の」「もっとも重要なもの」などを意味する「プロテイオス(proteios)」という言葉が語源です。この語源はふさわしいといえます。というのも主要栄養素をバランスよく摂るには、まずタンパク質の摂取量を決めることから始めるからです。
領域 Iは、平坦~起伏のあるコースでの長距離のレースで、オランダやベルギーなど欧州の北西部の国々で多く見られます。
このセクションの目的は、「特定のタイプのレースで最適なパフォーマンスを発揮するためには前述の6つの能力をどのように組み合わせたらよいか」を紹介することです。
無酸素持久力のためのトレーニングには、VO2maxを鍛えるための耐乳酸反復インターバル(付録 Cを参照)が含まれます。
持久力のトレーニングでは、まず初冬にノルディック・スキーやインライン・スケートなど複数のスポーツを組み合わせた有酸素トレーニングを行います。
前述したように、出場するレースの種類によって、どのような強みが必要であるかや、どのような弱点がリミッターとなるかが変わります。
リミッターに話を戻しましょう。前述したように、リミッターとは、目標とするレースに深く関連する「弱点」のことです。
スプリント・パワーとは、最短の時間で最大の力を発揮する能力のことです。スプリント・パワーは、基礎能力の「筋力」と「スピード・スキル」が組み合わさったものです。
無酸素持久力とは、重いギアを高ケイデンスで回した時の疲労に耐える能力のことです。優れたアスリートは、「スピード・スキル」と「持久力」の組み合わせでこの能力を発揮します。
筋持久力とは、長時間にわたり高負荷に耐える筋肉の能力のことで、基礎能力の「筋力」と「持久力」が組み合わさったものです。サイクリングでいう筋持久力とは、長時間、重いギアを回し続ける能力を指します。
スピード・スキルとは、素早く効率的に動く能力のことです。スピード・スキルが優れた選手は高速でもペダルをスムーズに回すことができ、無駄のない動きで機敏にコーナリングできます。
筋力は、抵抗に打ち勝つ能力のことです。サイクリングでは、上り坂や向かい風の中を走行する時にこの能力が必要になります。
持久力とは、疲労の発生を遅らせて運動を継続する能力のことです。本書では特に、「有酸素レベルでの運動」について使用します。
クリテリウム形式のコースで、コーナーを抜ける度に10秒のスプリントを15~30回行います。
15~30分間ウォーミング・アップをした後、平坦なコースで8マイル(約12.8km)のタイム・トライアルを実施します。
前述したトレーニング理念をよく理解していたただけるよう、10項目の指針からなる「トレーニング十則」を作成しました。この指針を日頃の考えや実際のトレーニングに取り入れることで、トレーニング理念を実践でき、労力に対して大きな見返りが得られるようになるでしょう。効果は、年齢や経験に関係なく期待できます。
このテストはインドア・トレーナーの後輪に計測機材をつけて行うか、コンピュトレーナーを使うとよいでしょう。
ウォーミング・アップをした後、カーブに縁石があり、コーナー付近に障害物がなく、交通量の少ないコースで、25~35秒のスプリントを6~9回行います。
しっかりウォーミング・アップをした後、練習のはじめに、傾斜が4~6%の坂で、20秒のスプリントを6~9本行います。
基礎体力を養成する時期は、慎重にトレーニングすることが何よりも大切です。この時期での高強度の練習や過度な練習量は、逆効果になってしまいます。では、何を基準に適度な練習を判断すればよいのでしょうか。トレーニング1年目のヒントを紹介します。
1969年、オーストラリアのデレク・クレイトンはその後1981年まで破られなかったマラソンの世界最高記録、2時間8分34秒を打ち立てました。しかし驚くべきことにクレイトンのVO2maxはわずか69.7ml/kg/分(体重1kgあたり1分間に利用できる酸素量)だったのです。これは、世界の一線級の選手から見れば、歩行者とも言える値であり、同じころに活躍したほかの選手に比べ、かなり見劣りのするものでした。
サイクリングに真剣に取り組み始めて3年未満の人は、年齢に関係なく初心者といえます。競技に打ち込む理由に関わらず、大事なのは成功するために必要なものが何かを学ぶことです。特に重要なのが、自転車での成功のカギを握る要素を理解することです。
スポーツについては、さまざまなことが語られ、読者のみなさんも見聞きしてきたと思いますが、成功の「秘密」というものは存在しません。エリート選手やコーチのなかには「最新かつ最高のトレーニング法」を発見したと思い込んでいる人もいますが、一つとして新しいことはありません。
しっかりウォーミング・アップをした後、練習のはじめに、インドア・トレーナーか実走で15~25回ダッシュし、瞬発的なパワーを強化します。
マルチスポーツの選手の多くが目指すゴールは3つです。それは、より遠くに移動する能力、より速く移動するテクニック、そしてより遠くかつより速く、潰れることなく移動するスタミナです。これを1つに絞れば、一定距離をより速くスイム、バイク、ランで移動するテクニックになります。