20分未満の運動でも脂肪は使われている
脂肪を効率よく燃焼させるために「20分以上は運動しましょう」とよく言われる。それでは20分未満の運動は脂肪燃焼効果がないのだろうか。
脂肪燃焼の実際
■脂肪は運動開始当初から使われている
実は、運動開始後20分までは「脂肪はまったく使われず糖のみが使われている」わけではない。軽い運動程度では、確かに運動開始当初には少し糖の利用が多く、脂肪の利用が下がることはあっても、最初から脂肪は使われている。そして数分も経てば脂肪の利用率は高まる。
■20分経過後は脂質の利用比率が若干上がる
20分経過すると脂肪の分解が高まるものの、糖と脂肪の利用比率が6:4だったのが5:5に変わる程度のことであり、糖と脂肪の利用が完全に入れ替わるわけではない。
■運動して「脂肪だけ消費すること」はありえない
ましてや脂肪をエネルギーとして利用するには糖がかならず必要なので、例え20分以上運動したとしても「運動して脂肪だけを消費すること」はありえないといえる。
■ダイエットでは「摂取カロリー」を「消費カロリー」よりも少なくすることが最重要
体脂肪を減らす時に一番大切なのは、「カロリー摂取量」を「カロリー消費量」よりも少なくすることだ。その意味からすると「20分経たないと脂肪が燃えないので運動しても無駄」と考えて運動しないよりは、細切れのわずかな時間でも運動して少しでもカロリー消費量を増やし、最終的にカロリー収支がマイナスになるようにした方が、減量するにあたっては効果的かも知れない。
■「20分以上」にこだわる必要ない
「脂肪燃焼のために20分以上運動を!」というのが通説ではあるものの、実際には「20分以上運動すること」にそれほどこだわる必要はないといえるだろう。
参考文献
- 八田秀雄著・『乳酸を活かしたスポーツトレーニング』・P116~119・講談社サイエンティフィク