練習やレース後の体重減少よりはその日のカロリー収支を見る
追い込んだロング練をした場合や長時間のレースに出た後は、運動前に計った体重から2㎏程度落ちることは珍しくはない。しかしこのような短時間での体重の増減は、「脂肪燃焼」よりは「筋グリコーゲン減少に伴う体内の水分量の減少」が大きく影響している場合が多い。
体重をコントロールするには、その日のカロリー収支を見る
■グリコーゲン1gを体内で貯蔵するには3gの水が必要
仮に、体内のグリコーゲン貯蔵量が500g(約2,000kcal)のロードレーサーがいたとする。このロードレーサーが、ロング練で体を限界まで追い込んで約6,000kcal消費し、補給が十分でなかったのでグリコーゲンをほぼ使い切って帰宅したとする。
この場合、グリコーゲン500gを使い切ったのでその分体重が減る。それに加えて、グリコーゲンを維持するのに必要であった水1,500gも減ることになる(グリコーゲン1gを体内で貯蔵するには3gの水が必要なので500g×3g=1,500gの水が体内にあったのが不要になる)。つまりグリコーゲン+水分だけで合計2,000g(2㎏)体重が減少するわけだ。
■「体脂肪が減るか減らないか」にはカロリー収支が大きく影響する
もちろん練習中にエネルギー源として脂肪も使っているので、体脂肪もある程度減少する。しかし最終的に体脂肪が減るか減らないかには、その日のカロリー収支が大きく影響する。
■カロリー余剰分は主に体脂肪として蓄積される
つまり体重が2㎏も落ちたので喜んで沢山食べてしまった結果、その日の全消費カロリー7,000kcalに対して全摂取カロリーが7,500kcalになった場合は、最終的に摂取余剰分の500kcalの分だけ体重は増加してしまう(すべて体脂肪として蓄積された場合約70gの体重増加となる)。
■練習後のカロリー摂取量調整が大切
その意味では、練習後の体重増減に一喜一憂しても仕方がない。ダイエットのためには、筋グリコーゲンを回復させつつ体脂肪を少し減らす程度に(例:1日トータルでカロリーの収支が200kcal程度マイナスになる程度に)、練習後のカロリー摂取量を調整することの方が大切といえる。
ロング練の途中の補給はコンビニで買うことが多いと思うが、最近はほとんどカロリー表示がついているので、おおまかにだけでも頭にメモしておけば、カロリー調整の役に立つだろう。