「踏みどころ」を出した上でパワトレをする
ロード・レーサに限らず、トップ・アスリートの動きは美しいことが多いが、これは膨大を練習を積み重ねた結果、筋肉がもっとも効率的な動きを習得し、自然にいちばん合理的な方法で体が反応するようになっているからだと考えられる。つまり「動きに無駄がない」といえる。この「無駄のない動き」を完全に自分のものにするには、絶対的な練習量もさることながら、「無駄のない動きをしようと意識すること」つまり「正しい形(=動き)で練習をすること」がひじょうに重要になる。今回はこれに関する、宮澤崇史選手の興味深いブログを紹介する。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2012.03.08の記事です)■
宮澤崇史選手のブログ
■宮澤崇史選手のブログより引用
URL:http://ameblo.jp/miyazawatakashi/entry-10758690380.html
「最近はパワートレーニングが主流で、多くの選手がパワーメーターを使用している。
毎回の練習の中で一喜一憂しながら練習をするわけだが、強くなるためにはきちんと良いところに乗せてあげられないと自転車は前に進まない。
よく、150kmくらい走った最後にフッと全然力を使ってないのに、サーっとスピードに乗れていくらでも走れる状態になるときがある。
いわゆる「踏みどころが出ている」状態だ。
無意識のうちに体が一番効率の良い踏むポイントをつかんでいるのである。
それが出来て初めて強度の高いトレーニングをする事で、効果的に新記録を出して行く事が重要。
何が言いたいかというと
練習中は「踏みどころ」を探す作業がほとんどで、常に速く走っているわけでは無いのだ。
いわゆる骨で踏め!ってやつね。」
(中略)
「踏みどこを出した上で、パワートレーニングをする!という事です。」
ホビー・レーサーにとっての「踏みどころを出したパワートレーニング」
■最終的な到達点が変わる可能性がある
ホビー・レーサーにとっての最重要課題のひとつは「FTPを上げ、長時間出せる絶対的なパワー(及びパワー・ウェイト・レシオ)を上げること」だが、それには長い期間(少なくとも数年)がかかる。その期間「パワーを出すことだけを優先して無駄が多いペダリングを気にしない」のと「踏みどころを出したうえで、パワートレーニングをすることを意識する」のとでは、同じポテンシャルを持っている選手であっても、最終的な到達点が変わってくる可能性があるだろう。というのも、同じ期間練習しても「エコノミーに差がつく可能性が高く」またそれを修正しようと思っても「長期間にわたって練習してきた結果、体に染みついた動きを修正するのは、かなり大変なことが多い」からだ。
■固定ローラーでの練習は注意が必要
いちばん注意した方がよいのは、固定ローラーでの練習かも知れない。
というのも、固定ローラーではフレームを左右に振ることができないので(一部の例外機種を除く)、実走と筋肉の使い方(パワーの出し方)が微妙に違ってくる。つまり、本当に実走で速くなるための「踏みどころ」は意識しにくいと思われる。固定ローラーは、心肺機能や筋肉と言った体力を鍛えるのにはひじょうに時間効率がよい練習方法だが、最終的にはレース(実走)で速く走れなければ意味がない。その意味では実走や3本ローラーで練習する時に「踏みどころを出したうえでパワーを出す」ように意識すれば、「長い目で見て、より実戦的で効果の高い練習」になる可能性があるだろう。
参照URL
- 宮澤崇史選手・『練習をする上で』
http://ameblo.jp/miyazawatakashi/entry-10758690380.html