インデュライン引退14年後の身体能力データ
ツール5連覇やオリンピック・世界選手権での優勝など数多くのタイトルを獲得したミゲール・インデュラインの引退14年後の身体能力データが THE INNER RING で紹介されています。
■デトレーニングと体重増加が大きく影響
スペインのスポーツ科学の研究所で「デトレーニング(トレーニングをストップした場合)」の影響を調べるために、引退後14年になるインデュラインが、エルゴメーターを使った漸増負荷テスト(MAPテストに似た形式と思われます)を行いました。
結果は、VO2maxに達するパワー(MAPに相当すると思われます)が450W, OBLAに達するパワー(FTPやLTパワーに相当すると思われます)が360Wと、絶対的な数字はかなり高い数字を示しました。
一方で、体重が92kgと現役時代に較べると+12kg増加しているので、パワー・ウェイト・レシオで見ると、VO2maxが4.88W/kg, OBLAが4.00W/kgといった数字にとどまりました。
VO2maxの値も57.4ミリ・リットル/kg/分と現役時代(88ミリ・リットル/kg/分)に較べて▲30.6と大幅な低下が確認されました。
■現役時代と同体重での換算値
あくまで試算ですが、体重が現役時代と同じレベルまで落とすことができ、上記と同水準のパワーが出せた場合のパワー・ウェイト・レシオは、VO2maxが5.75W/kg, OBLAが4.5W/kgとなり、かなりの改善が期待できるといえそうです。他方、この数字はトレーニングをしていない一般人と比較するとかなりよい数字といえますが、さすがにツール復帰は難しそうです。
脈拍28bpm・VO2max88ミリ・リットル/kg/分といった驚異的な身体能力を誇ったインデュラインのような名選手でも、「加齢」「デトレーニング」「体重増加」の影響により、身体能力が大幅に低下することを示す例といえそうです。
ミゲール・インデュラインの引退14年後の身体能力データ
■年齢・体重
- 年齢:47歳(推定)
- 体重:92kg
■最大酸素摂取量(VO2max)
- 最大酸素摂取量:5.29リットル/分(57.4ミリ・リットル/kg/分)
- 有酸素パワー出力*:450W 4.88W/kg
- 心拍数**:191bpm
- 血中乳酸濃度:11.2mmol
*MAPと同じと思われます
**最大心拍数に近い数字と思われます
■OBLA(onsete of blood lactate accumulation)***
- OBLA:4.68リットル/分(50.8ミリ・リットル/kg/分)
- OBLAパワー出力:369W(4.00W/kg)
- 心拍数:170bpm
- 血中乳酸濃度:4mmol
***血中乳酸濃度が4mmolを超えるポイント・FTPやLTパワーに近い数字と思われます
■個人LT(ILT: the individual lactate threshold)
- 個人LT:4.28リットル/分(46.4ミリ・リットル/kg/分)
- 個人LTのパワー出力:329W(3.57W/kg)
- 心拍数:159bpm
- 血中乳酸濃度:2.4mmol
参照URL
サイト画像 | サイト・ブログ名 ■タイトル |
THE INNER RING | |
ウィキペディア |
関連情報
サイト画像 | サイト・ブログ名 ■タイトル |
じてトレ(旧サイト) |