レースのパワー・データの重要チェック・ポイント
パワー・データの中でもレースのデータがもっとも価値が高いと考えられる。というのもレースのデータ分析すれば、レースの必要条件を確認し、それをもとに次のレースに向けた精度の高い練習メニューを作成できるからだ。それでは、具体的にどのようなデータをチェックすればよいのだろうか。今回は『THE POWER METER HANDBOOK』を参考に、レースのパワー・データの重要チェック・ポイントを紹介する。
レースのパワー・データの重要チェック・ポイント
パワー・データの分析ソフトを使うと、さまざまな数字や指標が表示される。その中でも、ロード・レースでは、次のポイントにチェックするとよいだろう。
■ロード・レース
- レース全体と、上り区間など、レース中の重要区間の、NP(標準化パワー)とIF(強度係数)
- 「スプリント」「コーナーをクリア後の加速」「上り」「逃げ」といった区間で燃やした「マッチ(高強度のインターバルがかかった区間の持続時間・パワー・回数)」
- さまざまな持続時間でのピーク・パワー(5分やそれ未満が特に重要)
- ウォーミング・アップも含めたレース当日のTSS
- 優先度「高」のレース当日のTSB
- 足が売り切れてしまう兆候
- ペダリングをしていなかった時間の割合
■レースの実際を数字で把握し、対策メニューを作る
これらのデータをチェックすることで、レースが実際にはどのようなものであったかを、数字の面からも理解することができるだろう。
また、ここで明らかになったレースの必要条件をもとに「レースを再現したメニュー」を作成し取り組めば、より効果の高レース対策になると考えられる。
参考文献
- JOE FRIEL著・『THE POWER METER HANDBOOK』・P140~141・velopress