テストをうまく実施するためのコツ ~体力レベルの客観的な基準を把握し、具体的な目標を設定するために~【WIB】
■テストをする意義と限界
定期的にテストを実施することで、現在の体力レベルの客観的な基準を把握することができ、それをもとに、より具体的な目標設定を行えます。テスト結果からかなり大きく進歩したことが確認できれば、自信がつき、達成感も得られることでしょう。
他方、「体力は向上しているのに、テスト結果には反映しない」ということもときどきあります。こういったケースでは、テスト結果は無視して、自分のトレーニング計画に沿って練習を続けましょう。テストは厳密に科学的なものではなく、本当の体力レベルを反映するものでもないからです。また、誰しも調子の悪い日があるものです。
■最も重要なレースに関連する能力をテストすることが重要
テストにはさまざまな方式があり、テスト手順も無数にあります。大切なことは皆さんが「何をテストしたいか」です。テストすべきは、最も重要なレースに関連する能力です。その能力には、筋持久力、閾値、無酸素持久力、スプリント・パワーなどが含まれるかもしれません。
■再現性:テストの価値を高めるために
毎回同じ手順でテストを実施できるように、再現しやすい環境作りを心がけましょう。たった1回しか実施していないテストの結果は、「長期間にわたるパフォーマンスの比較材料」として活用可能な複数回にわたるテスト結果と比べると、どうしても価値が落ちます。
■テストをうまく実施するためのコツ
テストをうまく実施するためのコツを以下に紹介するので参考にしてください。
- 再現性を確保する
(変動要因をなるべくなくすことが、テストをうまく実施するためには重要です) - 回復週の最後にテストを実施する
- テスト手順と結果を記録する
- 4~6週間ごとにテストを繰り返す
テスト結果として最適なものは、キャリブレーション可能なインドア・トレーナーで実施した時のものです。そうでない場合は、テストの度にリア・ホイールのテンションが違ってしまうといったことが起こり得ます。
※この記事は、『室内 ローラー練 サイクリング・トレーニング・メニュー集(WIB)』加藤浩幸訳・OVERLANDER株式会社(原題:『WORKOUTS -IN A BINDER- For Indoor Cycling』ディルク・フリール、ウェス・ホブソン(共著)・velopress)の立ち読み版です。『室内 ローラー練 サイクリング・トレーニング・メニュー集(WIB)』は、ローラー練など、室内でのサイクリング・トレーニングを楽しく効果的に行うためのメニュー集です。