下りが苦手な場合のリミッター ~主観的な分析でのリミッターの見つけ方~【BBC】

【初心者のためのヒント】【空力・エアロダイナミクス・TT・下り】【立ち読み版】【速くなるためのヒント一覧】2016年11月8日 13:43

ヒルクライムが得意か否かにかかわらず、下りで後れをとることがあります。これはたいてい、技術的な問題です。猛スピードで坂を下れるという自信が足りないからだと考える人もいますが、自信は自転車を操る技術があるからこそ生まれるものです。この技術には、コーナリング、ブレーキング、そして私が「見る力」と呼ぶものなどがあります。視点を遠くに置きながら路上やトレイルを走ることで、情報を処理するための十分な時間を脳に与えるのです。前輪を見ながら走っていたら、前方から近づく障害物やコーナーに反応する時間が足りません。下りの練習については13章で取り上げます。

体重の軽い選手も、下りでは不利になります。体重の重い選手の方が、重力のおかげで速度が出るためです。体重の重い選手が下りで自体重を利用して速度を維持できるのに対し、軽量の選手はペダルを踏まなければ同じ速度を維持できません。下りでは、体の大きな選手の後ろにつくようにしましょう。

 

※この記事は、『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『BASE BUILDING for CYCLISTS』トーマス・チャップル著・velopress)の立ち読み版です。『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』を下敷きにした、1年のなかでも最も重要でありながら、最も理解されにくい時期でもある「基礎期(ベーストレーニング期)」に、どのようにトレーニングすべきかを詳しく掘り下げた好著です。■

 

著者紹介

トーマス・チャップル

ウルトラフィット・コーチング・アソシエイト。USAサイクリングおよびUSAトライアスロンで、公認コーチとしてエリートレベルの選手のコーチを行っている。1997年に専業のコーチとなって以来、指導してきた選手は、全米および世界のレースで優秀な成績を収めてきた。チャップルの指導した選手は、ハワイのアイアンマン世界選手権のエイジ別入賞やアマチュア部門での優勝、全米プロ/エリート・クリテリウム選手権の上位入賞、NORBA全米シリーズの年代別部門、24時間単独マウンテンバイク・レースの優勝などの栄光に輝いている。

トレーニングやサイクリング関連の定期刊行物、ウェブサイトに定期的に記事を寄稿。そのコーチングスタイルは、短期・長期の目標への到達を目指すトレーニングプロセスにフォーカスしながら、バランスと一貫性を重視していくというものである。選手時代は、全米レベルのダウンヒルのマウンテンバイク・レースや、地元のロードおよびトラック競技の選手として活躍した。詳細は、ウェブサイト(www.coachthomas.com)を参照。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『サイクリスト・トレーニング・バイブル』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。