精神力がリミッターの場合 ~その他リミッターへの対処方法~【BBC】
■精神力
リミッターは、体力だけではありません。長い距離を走るときには、たとえペースが特に速くなくても、疲労からくる不快さに耐えながら、「走り続けよう」と自分に言い聞かせなければなりません。もし身体的な能力がまったく同じサイクリストが何人かいたとしても、私は彼らがあらゆる状況で、同じレベルのパフォーマンスを発揮するとは思いません。なぜなら、パフォーマンスには精神力が大きな役割を果たしているからです。そしてそれが、向上の妨げになることもあるのです。
きわめて激しい運動では、ペダルを踏むパワーと同じくらい強い意志の力が必要です。私が指導してきた選手にも、ヒルクライムで集団についていけるだけのパワーを持ちながら、きつい上りで心拍数が上がると、苦しさを感じてペースを落とすケースが多く見られました。しかし、他の選手との違いは身体的なものではなく、精神的なものだということを理解すると、集団についていけるようになりました。
表彰台に上るには、最大心拍数に達するほどのハードな走りが必要だということを忘れてはいけません。最大限の力を出し切ったときに味わう類の苦しさを感じずにレースに勝てるようなら、カテゴリーを上げることを検討すべきです。ただし、レース中に心拍数を確認することはおすすめしません。データをダウンロードできる心拍計やパワーメーターを使っているのなら、レース後に心拍数を確かめましょう。