シニア・アスリートとして知っておきたい加齢に伴うパフォーマンス低下の3大要因
私は70歳です。
さあ、言ってしまいました。
私がこの恐ろしい誕生日を迎えたのは、この本の執筆を始めてすぐのことです。今までにも、バースデーケーキの上にはたくさんのロウソクがありました。40歳、50歳。そして60歳のときも、その数を気にすることはありませんでした。しかし、70歳となると話は違いました。どういうわけか、70という数字は、69よりもずっと重く感じ、本当に年寄りだと感じたのです。この差はあまりにも大きいように思えました。80代をどうスタートさせるか、半年ほど考え込んでいたほどです。最も気がかりだったのは、これが、今までシリアス・アスリートとしてずっと続けてきた冒険が終わりを迎えた合図なのかもしれない、ということでした。とにかく、何が自分を待っているのか、わからなかったのです。
このビッグ・デーを迎える6ヶ月前、私は何か対策を講じようと決意しました。加齢に関する研究論文を手あたりしだい読み、シリアス・アスリートとしての将来を見極めることにしたのです。それだけでなく、私はパフォーマンスを大幅に低下させないために自分に何ができるか、知りたいと思いました。私が最後に加齢に関する研究論文を読んだのは、1990年代半ばのことで、『Cycling Past 50』を執筆していたときのことです。当時私は53歳でした。そのころは加齢に関する研究論文はあまり手に入りませんでした。しかし、2005年、ベビーブーム世代が60代に近づき、彼らが大挙して高齢を迎えたことがアメリカ社会に影響を及ぼすと、状況は著しく変化したのです。
加齢に関しては、過去15年ほどでおびただしい数の研究がなされました。私は半年間、ほとんど毎日そうした研究論文を読んで過ごしました。すると、おもしろいパターンがあることがわかってきました。そして2013年の夏が終わるころ、プロジェクトを始めてから2、3ヶ月しか経っていませんでしたが、私は自分が学んだことをブログにまとめることにしたのです。加齢に関する投稿は29回(www.joefrielsblog)。これに対して読者からは確かな反応がありました。シニア・アスリートの反響はすさまじかったため、私はこの加齢の話を本として出版し、より多くの人に、私が学んだことを届けるべきだと思いました。するとそのとき、お世話になっている VeloPress社が、そのような本を書いてくれる人を探していることがわかったのです。
あなたが今、手にしている本は、すべてのシニア・アスリートに向けた、私からのバースデープレゼントです。この本によって、加齢に関する疑問が解消することを願っています。その疑問はきっと、私がこのプロジェクトを始めたときに抱いていたものと同じでしょう。もちろん、我々の誰もが知りたいことはただ1つ、加齢とともに生じるパフォーマンスの低下を遅らせる、あるいは一時的にでもそれを逆行させるにはどうしたらいいか?ということです。これは、私が70の大台を前に思い悩んでいたことでもあります。
50代になるまでに、ものごとがうまくいかないことは、だんだんはっきりとして来ます。その年頃のアスリートが最初に気がつくのは、たいてい同じことです。レースやきついトレーニングからの回復が2、3年前に比べて遅くなるのです。レースの記録が遅くなるだけではありません。パワーが落ちる、ヒルの傾斜がきつく思えることに加え、その他のパフォーマンスのものさしも、悪化の兆しを見せるのです。いったいどうしたらよいのでしょうか。
■本書を書いた目的
本書を書いた目的は、シニア・アスリートのパフォーマンス、トレーニング、生活習慣についてスポーツ科学の世界でいわれていることを理解し、それによって、加齢についての疑問を解消することです。すでにざっと目を通した人は、2つのことに気づいているはずです。まず、末尾に番号のふってある文章がたくさんあるということ。そして、その数字は章ごとに巻末に掲載されている論文のリストに対応しているということです。このような本は読みなれていないのではないでしょうか。これだけの引用があると、一見、読み物というよりは、まるで大学の教科書のようです。しかし、私がこれだけの注釈と出典を記したのにはわけがあります。私は、パフォーマンス向上のためのトレーニングについて提案する際、裏づけのない見解をただ書き連ねるよりも、ある程度その根拠を示す必要があると考えているのです。
加齢に関しての情報源は基本的に2種類あります。研究と見解です。ある意味では、両方とも価値あるものです。見解の場合、その価値は、情報源しだいです。それは、学識豊かな人、シニア・アスリートの指導、持久系スポーツの経験が長い人から発せられた見解なのでしょうか?その人自身はシニア・アスリートなのでしょうか?あるいは、スポーツの経験がほとんどなく、運動生理学の知識も乏しい、そして思いつきを言っただけで、何の裏打ちもない意見なのでしょうか?私が一目を置いているのは、何人か名の知れた、オーソリティといわれる人の見解であり、加齢とそれに関連する件については、とりとめのない意見にはほとんど注目しません。加齢について耳にする話は、風説、俗説が基になっているものばかりなのです。自分より年長のアスリートから聞くことは、的を射たものもありますが、個々の状況に左右され、ほかの人にはあてはまらないこともあります。
反対に、私は科学的な視点から事象を理解しようとする人たちの考えには、重きを置いています。このような人たちは、ある考え方が広まっていようと関係なく、厳しい疑問をぶつけ、答えを探求します。そしてその答えが、結果に影響する因子をコントロールし、査読を経た研究に基づいたものであれば、なお、好ましい。トレーニングに関しては、私はいつも科学の力を大いに借りて、自分の理論を形成してきました。それは、加齢やスポーツパフォーマンスなどの研究では特に大切です。なぜなら、我々を答えへと導いてくれるはずの、ベビーブーム世代以前のアスリートは、非常に少ないからです。ほかには、とにかくこのような重要なトピックに関して、確かな裏づけもなく自分の意見を述べたくなかった、ということがあります。これが、多くの参考文献を紹介した理由です。
しかし、この本に私自身の意見が入っていない、ということではありません。間違いなく私の考えを著したものです。なぜなら、紹介した研究論文は、私の言葉に置きかえ、現実の生活に応用できるようにする必要があるからです。ですから、本文に書かれてあることは、研究論文を読むことによって形成された、私の加齢に対する意見なのです。
もし私の意見の背景を知りたければ、巻末から文献を見つけて、オンラインで検索すれば、その情報ソースにたどり着くことができます。アブストラクト(研究の要約)の検索には、PubMedがいちばんいいでしょう。このサイト(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed)は、米国国立衛生研究所(NIH)の一部門である、米国国立生物工学情報センターが管理・運営しています。論文のアブストラクトのページを開くと、その右側に関連論文がリストアップされていますので、それを閲覧すれば、そのトピックについて、さらに多くのことが学べます。読者のほとんどの方は、こんなことは退屈だし必要がないと思うでしょう。それなら、注釈や参考文献は無視しても構いません。それでも、ある分野についてもっと知りたい、あるいは、どうして私がそういう結論にいたったのか確認したい、と思うことがあれば、ぜひ利用してみてください。
■スポーツ科学の限界と貴重な例外
だからといって、加齢について、そしてハイレベルのパフォーマンスを生みだすトレーニング・生活習慣について、科学がそのすべて解き明かしたと誤解されては困ります。そんなことは絶対にありません。科学に期待できるのは、せいぜい、その正しい方向づけぐらいなものです。スポーツ科学は、特に競技の新しい技法となると、お粗末な過去しかありません。大きな変化の後追いばかりをしているのです。
たとえば、走り高跳びです。スポーツ科学は、フォスベリー・フロップ(背面跳び)という跳び方に後れをとりました。この跳び方は、1960年代、ディック・フォスベリーという選手が編み出したものです。彼は大学生でした。科学者ではありません。しかし、それまで1世紀近く使われ続けていた、イースタンロール、ウェスタンロール、はさみ跳びに比べ、この新しい技術が有効である理由が科学によって説明されたのは、記録が次々に塗り替えられるようになったあとのことです(ちなみに、その理由は、ジャンパーの重心がバーの上ではなく、常に下にあるために垂直揚力が少なくて済む、ということにありました)。現在では、世界のトップジャンパーの誰もが、フォスベリー・フロップを使っています。
スポーツ科学は、自転車のエアロバーを開発することもできませんでした。これは、モンタナのスキーコーチから自転車に転向したブーン・レノンによって発明されたものです。スポーツ科学はあとになってから、このエアロバーの効果を報告しました(自転車でスピードを出す際、最大の障害となるのは、体によって生じる空気抵抗ですが、エアロバーはこの空気抵抗を大幅に減らすということです)。タイムトライアルを行うトライアスリートやロードレーサーならこの話はすべて知っているでしょう。事実が先行し、それがあとになって科学により解明されるという例は、枚挙に暇がありません。科学がスポーツにおいて何か意義の大きいものを生みだしたということは、きわめてまれです。
しかし、貴重な例外もあります。トレーニング・ピリオダイゼーション(期分け)です。これは、シリアス・アスリートならほとんどの人が、シーズンの計画に使うもので、元は、東側諸国のスポーツ科学者が、20世紀初めに編み出した考えです。そして何人もの科学者によって改良が続き、今にいたっています。最近では、ウラジミール・イスリンという、スポーツ科学者の例があります。彼は、あるトレーニングに極度に集中する「ブロック・ピリオダイゼーション」という概念を生みだしたことで高く評価されています。このブロック・ピリオダイゼーションは、現在多くのエリート・アスリートが採用しています。そのほか、もっと新しいところでは、エリック・バニスター、デビッド・コスティル、ティム・ノークス、アンドリュー・コーガンといったスポーツ科学者が生みだした、トレーニング概念、テクノロジー、そしてそれに関連する分析ツールがあります。
もちろん、現在の科学者の多くは、アスリートでもあります。こうした科学者をはじめとした大勢の人びとの尽力が、トレーニング方法に多大な影響を与えました。しかし、科学者によってトレーニングが飛躍的進歩を遂げることは、多くはありません。革新を起こしてきたのは、主にアスリート、コーチであり、科学者ではないのです。
状況をさらに複雑にしているのは、今までに生活習慣やスポーツパフォーマンスをあらゆる面から研究したものは、シニア・アスリートを被験者として使っていなかったことです。ですから、我々は若い被験者を使った研究が、我々シニア・アスリートにも応用できるのか、見極めなければならないのです。さらに悪いことに、こうした研究の被験者は、アスリートでさえないことが多く、さらに、女性であることもほとんどありません。スポーツに関する研究のほとんどは、被験者のうち男性が圧倒的多数を占めていますが、加齢の研究も例外ではありません。閉経など、性別が直接関係する分野以外では、すべて男性も女性も同じと考えられてきました。しかし、それも今は変わりつつあります。細かいところで女性と男性は違う、ということに、多くの科学者が気づき始めたからです。したがって男性のみ、あるいは女性のみに特化した研究が増えつつありますが、まだ個々の研究は小規模なものです。要するに、同じトピックに関する研究でも、我々シニア・アスリートの個々のニーズにあてはまらないこともあるのです。
■シニア・アスリートの偉業の実例
それでは、加齢にともなってパフォーマンスはどう変化するのか、そしてアスリートと科学者によって、加齢に対する我々の考え方はどう変わるのか、ということに戻りましょう。「シニア・アスリート」とは何か。その定義はやさしくありません。年齢という、従来の数字を使う方法ではなおさらです。それでもその数字が更新されると、変化も生じます。我々はその変化が加齢とともに起きることを知っています。知らないのは、それがどういう速さで起きるかということです。人によっては、かなり高齢になっても驚異的なパフォーマンスを出し続け、年齢が半分ほどのアスリートとも渡り合えるくらい、競技力を保っている人もいます。地域では、レジェンドとして扱われ、若いアスリートからは尊敬されています。いっぽう、今までに迎えた誕生日の数が同じでも、老け込むのが早く、パフォーマンスが大幅に落ちこんでしまう人もいます。この違いはどこからくるのでしょうか。若返りの泉を見つけたかのような人と、どこにあるのかわからないような人がいるのは、なぜなのでしょうか。おそらく遺伝によって、その多くは説明がつくのでしょう。しかし、このあとのページを読み進めると、それだけではないことがわかります。シニア・アスリートのなかには、パフォーマンスを加齢の影響から遠ざけるために、トレーニングと生活習慣ですべきことをすでに知っている人もいます。
ダイアナ・ナイアドが成し遂げた偉業を例にとって考えてみましょう。彼女は2013年、キューバからフロリダまでの約178km、サメもクラゲもうようよいる海のなかを、53時間ほぼノンストップで泳ぎきりました。このとき、彼女は64歳。彼女が間違いなく持っていたのは、加齢に関するある程度の知識、パフォーマンス、そして特にモチベーションです。このできごとに関しては、おそらくどこかで読んだことがあるでしょう。しかし、目覚しい結果を出したシニア・アスリートは、彼女だけではありません。ほかの偉業の多くは、大々的に報道されることがほとんどないため、我々の目には触れてこなかったのです。我々が聞いたこともないような、シニア・アスリートによる並外れたパフォーマンスは、数え切れないほどあります。その例がボブ・スコットです。
ボブ・スコットは75歳のとき、ハワイのアイアンマン世界選手権においてエイジグループのコースレコード(13時間27分50秒)を樹立しました。この記録は、30代や40代のグループでもよい成績です。しかし、レースに勝ったり、記録を打ちたてたりすることは、彼にとって初めてのことではありません。その4年前、70-74歳男子のエイジレコード(12時間59分02秒)を記録しているのです。同じエイジの2位の選手に、90分以上の差をつけてのフィニッシュでした。もしもトライアスロン競技が、年齢を加味して調整した順位を発表するものだったとしたら、彼は毎回のように金メダルを獲得するでしょう。
それでは、リビー・ジェームスはどうでしょう。彼女はコロラドのフォート・コリンズに住む76歳です。2013年、ハーフマラソンを1時間45分56秒で走り、エイジ・カテゴリーの世界記録を作りました。これは従来の記録、1時間55分19秒を大幅に上回る記録でした。この半分の年の女性でも、このようなタイムで走れる女性はそう多くはありません。ランニングでは、年齢を調整した結果を算出することができますが、それによるとリビーの樹立したタイムは、年齢・性別の別なく、その年の全体の1位に該当します。
シニア・アスリートによる驚くべきパフォーマンスは、これからも絶えることなく生まれ続けるでしょう。皆さんが、キューバからフロリダまで泳いだり、コースレコードや世界記録を作ったりすることは、ないかもしれません。しかし、今できていることをはるかに上回る潜在能力はあると思うのです。どうしたらそれができるのか?50歳を過ぎてもスピードを保つには?その答えを、この本を読んで見つけてほしい。それが私の願いです。
■加齢に伴うパフォーマンス低下の3大要因
本書は二部に分かれています。第1部(第1~3章)では、シリアス・アスリートが直面する多くの問題について解説します。第2部(第4~8章)では、その問題に対する答えを提示します。その答えには、トレーニングのことだけではなく、暮らし方に関すると思われること、つまり生活習慣も含まれます。この2つは、切り離して考えることはできません。
タイトルについてはどうでしょうか。『50を過ぎても速く!』。本書で学んだことを実行すれば、速くなることができるのでしょうか。その答えはさまざまなことに左右されます。過去にどういうトレーニングを積んだか、どれだけモチベーションがあるか、どれだけものごとを変える気があるのか、健康問題など競技に支障のある問題をどれだけ抱えているか、といったこと以外にも、さまざまなファクターがあります。何年もトレーニングをしてきたらわかると思いますが、パフォーマンスが自然によくなる、ということはありません。何かを変えるには、強い意志と鍛錬あるのみです。これだけは言えます。今までしてきたことと同じことをそのまま続けていても、結果は同じか、あるいは悪くなるかのどちらかです。年をとれば、必ず何かを変えなければなりません。
では何を変えるのか?それは、再び速くなることを妨げているものが何か、ということによります。研究によると、最も疑われるのは、最大酸素摂取量(VO2max)の低下、体脂肪の増加、筋肉量の減少です。本書は、この3つの問題と、その解決について解説したものです。
解決については第2部で扱います。インターバルトレーニングなどの高強度のトレーニング、重い負荷で行う筋力トレーニング、ピリオダイゼーション(期分け)の変更、睡眠、栄養摂取、回復方法などの生活習慣の改善です。この第2部を読み勧めていくうち、年を重ねつつある体がどう機能するのか、そして年齢に負けずに、体力を徐々に向上させるにはどうするのか、詳しくわかるようになります。これが本書の概要です。
これから紹介する解決策はおそらく、皆さんが今までにいわれてきたこととは、正反対のことでしょう。これまでに長く支持されてきた、医学界からのアドバイスは、我々シニア(ふつう、50歳以上のこと)は、激しい運動は避けるべきだ。というものでした。それは危険だというのです。深刻な怪我をするか、そうでなければ死にいたると。パフォーマンスの向上はもう求めずに、老いさらばえた今は、歩くべき。それも速過ぎてはだめ。運動は庭仕事程度に抑え、せいぜいスクエアダンスや、水中エアロビクスをたまにするぐらいにしておきなさい、ということです。
しかし、本書を紐解いたということは、皆さんこのようなアドバイスを受けいれることができない、ということなのではないでしょうか。あなたのご両親はアドバイスに従ったのかもしれません。でも、あなたは違う。しかし、激しい運動について、何も心配は要らないということではありません。実際、私も心配することはあります。ですから私としては、これからどれだけ変えていくべきなのか、それをどの程度のペースで生活やトレーニングに組み込んでいくべきなのか、そして、いつも何に注意していけばいいのか、といったことを決めるときの、サポートをしていきたいのです。
それでは、年齢をものともせず、よりよいパフォーマンスを追い求める道を、歩いていきましょう。
※この記事は、『50を過ぎても速く!』篠原美穂訳・OVERLANDER株式会社(原題:『FAST AFTER 50』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版です。『50を過ぎても速く!』は、アメリカを代表する持久系スポーツコーチであるジョー・フリールが、サイクリスト、ランナー、トライアスリート、水泳選手、スキー選手、ボート選手など、すべての持久系競技のアスリートのために、最新の研究をベースにして、「50歳を過ぎてもレースで力強く走り、健康を維持する方法」をわかりやすく解説した好著です。
※本件記事用に、本文を一部加筆修正しています。
■著者:ジョー・フリール(Joe Friel)
ジョー・フリールは、TrainingPeaks.comおよび TrainingBible Coachingの共同創立者です。運動科学の修士号を持つフリールは、1980年から持久系アスリートの指導にあたってきました。彼の教えを受けたのは、自転車、マウンテンバイク、トライアスロン、ランニング、ボート、馬術の選手などであり、年齢もさまざま、初心者からエリートまでとレベルも幅広く、アマチュアもプロもいます。なかにはアイアンマン・レースの優勝者、米国内外のチャンピオン、世界選手権代表、そしてオリンピック代表もいます。
フリールの作品は以下のとおりです。『サイクリスト・トレーニング・バイブル』(OVERLANDER株式会社)、『トライアスリート・トレーニング・バイブル』(OVERLANDER株式会社)、『The Mountain Biker's Training Bible』、『Cycling Past 50』、『Going Long』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Your First Triathlon』、『Your Best Triathlon』、『The Power Meter Handbook』、『Precision Heart Rate Training』(寄稿)、『Total Heart Rate Training』『Triathlon Science』(共同編集)。フリールはまた、米国トライアスロン指導者委員会の設立に携わり、会長を2期にわたってつとめました。
そのほか、『Inside Triathlon』、『Velo News』をはじめとする、200を超える雑誌のコラムを執筆するかたわら、米国以外の雑誌やウェブサイトにも頻繁に記事を寄稿しています。持久系競技のトレーニングに関して、さまざまなメディアから意見を求められており、紹介記事が掲載された雑誌は、『Runner's World』、『Outside』、『Triathlete』、『Women's Sports & Fitness』、『Men's Fitness』、『Men's Health』、『American Health』、『Masters Sports』、『Walking』、『Bicycling』といった専門誌から、『The New York Times』、『Vogue』にまで及びます。
フリールはこれまでに、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカ、太平洋地域でキャンプを主催し、アスリートはもとよりコーチにも、トレーニング、レースについて指導を行っています。また、フィットネス産業や政府機関のアドバイザーとしても活躍しています。
エイジグルーパーとしては、コロラド州マスターズ選手権優勝、ロッキーマウンンテン地区、サウスウェスト地区のデュアスロンエイジ別優勝などの戦績を誇り、全米代表チーム入り、世界選手権出場の経験もあります。現在は、サイクリストとして米国の自転車レースシリーズやタイムトライアルにも参加しています。
■訳者:篠原美穂
慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)卒業。主な訳書に『アドバンスト・マラソントレーニング』、『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』、『はじめてのウルトラ&トレイルランニング』、『ランニング解剖学第2版』(以上、ベースボール・マガジン社)、『トライアスリート・トレーニング・バイブル』(OVERLANDER株式会社)などがある。