プロ選手のケイデンスについての研究事例(1999年版)
プロ選手のペダリングケイデンスには様々な研究事例があり、ホビーレーサーにも関心の大きなテーマだろう。本記事では、『HIGH-TECH Cycling』を参考に、1999年シーズンのプロサイクリストたちを対象に行われた研究を紹介する。
この研究では、以下の3つの主要なレース区間におけるケイデンスと速度データが分析された。
■平坦ステージ(マススタート)
- コース特性: 標高差200m未満、標高0~300m
- 平均距離: 188km
- 平均ケイデンス: 89rpm(範囲: 80~99rpm)
- 平均速度: 44km/h(範囲: 38~51km/h)
■個人タイムトライアル
- コース特性: 標高差180m未満、標高0~800m
- 平均距離: 50km
- 平均ケイデンス: 92rpm(範囲: 86~96rpm)
- 平均速度: 47km/h(範囲: 44~50km/h)
■山岳ステージ(上り区間)**
- コース特性: 標高差1,600~2,600m、平均勾配7%
- 平均距離: 16km(高山ステージ全体では約180km)
- 平均ケイデンス: 71rpm(範囲: 62~80rpm)
- 平均速度: 17km/h(範囲: 12~25km/h)
一般的に、エリートサイクリストは常に高ケイデンス(>90rpm)であるとの通説があるが、この研究は、むしろ、レースの状況に応じてケイデンスを柔軟に変えていることを示唆している。特に、山岳区間では低ケイデンスが現実的な選択肢となっているといえよう。
参考文献
HIGH-TECH Cycling, EDMMUND R. BURKE, PhD, Human Kinetics, P109-110