脚の筋肉を鍛えるとなぜ強くなるのか?  ~筋肉と組織はどのように変化するのか~

【速くなるためのヒント一覧】2025年1月14日 13:35

ロードバイクでのトレーニングを継続すると、脚の筋肉にはさまざまな変化が生じる。本記事では、トレーニングにより筋肉とそれに関連した体の組織がどのように変化するのかを紹介する。

 

■ミトコンドリアの増加

ミトコンドリアは細胞内でエネルギー(ATP)を生産する「発電所」の役割を果たしている。継続的なトレーニングにより、ミトコンドリアの数や働きが増強されることで、筋肉へのエネルギー供給がスムーズになり、疲労を感じにくくなる。

 

■筋繊維の増加・肥大化

筋繊維のサイズや数が徐々に増加し、筋肉そのものが強化される。さらに、近年の研究によれば、速筋(FT)・遅筋(ST)の比率がトレーニングによって変化し得ることが示唆されている。

 

■毛細血管の発達と血流量の増加

毛細血管の数や血流量が増え、筋肉へ酸素や栄養素がより多く供給されるようになる。これにより、疲労物質の排出もスムーズになり、長時間動き続ける際のパフォーマンスが向上する。

 

■エネルギー源の蓄積と酵素の活性化

筋肉内のATPやグリコーゲンの蓄積量が増加し、運動時のエネルギー不足を起こしにくくなる。同時に、グリコーゲンや脂肪酸を効率的に分解する酵素の働きが高まり、エネルギーの生産効率が向上する。

 

■筋肉痛と超回復

トレーニングを始めたばかりの頃や負荷を増やした際には、筋肉に微小な損傷が起こり筋肉痛が生じる。しかし、適切な休息や栄養補給を行うことで筋肉は修復され、さらに強化される。このプロセスを「超回復」と呼ぶ。

 

脚の筋肉を鍛えるのは長期的なプロセスだが、適切なトレーニングを行えば確実に強化することができる。自分のポテンシャルを最大限に発揮するには、継続的かつ計画的なトレーニングが望まれる。

 

参考文献

Guido Vroemen, Ron Van Megen, *The Secret of Cycling: Maximum Performance Gains Through Effective Power Metering and Training Analysis (English Edition)*, Meyer Meyer Sports, P24

The Secret of Cycling: Maximum Performance Gains Through Effective Power Metering and Training Analysis (English Edition) Guido Vroemen, Ron Van Megen Meyer Meyer Sports 表紙