パワー・メーターを使ったVO2maxの推定方法
VO2max(最大酸素摂取量)は、有酸素運動の上限であり、FTPはVO2max以上には上がらない。逆に言えばVO2maxとFTPの間に大きな開きがあれば、FTPはVO2max近くまでまで上がる余地があるといえる。つまりVO2maxとFTPがわかれば自分のFTPの伸びしろがおおよそ推定できる。
パワー・メーターを使ったVO2maxの推定方法
■VO2max計算シート
以下にリンクのExcel計算シートにVO2maxパワーの推定値や体重やFTPなどを入力すると、VO2maxの推定値やFTPの伸びしろなどのおおよその目安が計算できる(精度は高くないのであくまで目安)。
VO2max計算シート→リンク(Excel)
■VO2max推定のためのパワー・データの集め方
VO2maxの推定のためのパワーデータの集め方は、以下の3通りがある。
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連続的に運動強度を高める方法
疲労するまで少しずつ負荷を上げていき、1分間維持できる最高パワーを用いる。 -
適切な時間の一定ペース走を行う方法
約5分間維持できる最高のパワーを計測する。 -
パーシュート(追い抜き)スタイルの走行を行う方法
スタンディングスタートから始まる短距離のトラック競技(パーシュート)のように、最初に高強度で加速し4分間程度可能な限り早く走行する。この時1分半~2分半経過時点よりパワーがある一定の水準に落ち着く。そのパワーを用いる。
■VO2max推定値の計算式
このパワーを以下の式に代入するとVO2maxの推定値を算出できる。
VO2(リットル/分)=0.0108×パワー(W)+0.007×体重(㎏)*
*アメリカ・スポーツ医大が普段トレーニングをしていない人を対象にした調査より導き出した公式。コーガン博士は、「平均的にみるとこの公式は鍛えている人にもあてはまる」との見解を示している。
■正確性にやや問題が残る点は注意が必要
上記3つの測定方法は、テストの時の負荷を上げるペースの差や、無酸素運動容量(1分半~2分半程度出せる無酸素的なエネルギー供給回路)の個人差や、ペース配分の巧拙なども大きく影響するので、正確性の面ではやや問題が残る点は注意が必要だ。
■VO2maxの値からVO2maxパワー
またVO2maxの値(リットル/分)だけわかっている場合(VO2maxパワーが不明な場合)は、上記公式を変形させた以下の算式を利用すると、VO2maxパワー(FTPの理論上の上限*)のおおよその値が算出できる(あくまでおおよその目安)。
VO2maxパワー(W)=(VO2max<リットル/分>-0.007×体重<㎏>)÷0.0108
*FTPの上限はVO2maxパワーの90%程度といわれている
参照URL
- Andrew R. Coggan, Ph.D.・「How to estimate VO2max using a power meter」
『TRAINING AND RACING WITH A Power Meter Journal』2010.06.08
http://www.trainingandracingwithapowermeter.com/2010/06/how-to-estimate-vo2max-using-power.html