パワーと心拍数のトレーニング・ゾーンが一致しない理由

【FTP・LT・VO2max】2011年12月15日 08:51

パワー・トレーニングのトレーニング・ゾーンをFTPをベースに設定し(コーガン方式)、同時にLTHR(LT心拍数)を基準にした心拍数トレーニング・ゾーンを併用した場合、シーズンの間にほぼ必ずこのゾーンが一致しないという状況が起こる。この理由は、心臓・脚・機器の問題ではなく、以下のような理由によるものと考えられる。

 

パワーと心拍数のトレーニング・ゾーンが一致しない理由

■LTHRは年間を通してほとんど変化しない

LTHRを基準にしたトレーニング・ゾーンは年間を通してほとんど変化しない。つまりトレーニングよってLTパワーは向上するが、LTでの心拍数はほとんど変わらない。

■FTPはシーズン中に大きく変化する

これとは対照的に、FTPを基準にしたパワー・トレーニングのゾーンはシーズンの間にかなり大きく変化する。体力が向上してくるとFTPが上昇し、それにつれてパワー・トレーニングのゾーンも上昇する。逆に体力が低下するとFTPは下がり、パワー・トレーニングのゾーンも下がる。

■年に数回は完全に乖離することがある

このようにシーズン中に、LTHRベースの心拍数トレーニング・ゾーンは一定にも関わらず、パワー・トレーニング・ゾーンは大きく上下するので、これらのゾーンが一致しない状況が起こる(年に数回は完全に乖離することもある)。

■速く走れるようになるには、パワー・ゾーンの変化が必要

この心拍数とパワーの関係については、以下のように考えるとわかりやすいだろう。

パワー・トレーニングのゾーンが変化しなかった場合、ある一定の心拍数で以前より速く走れるようになることはまずない。つまりパワー・ゾーンが変化しなければ、レースでより速く走れるという事はまずないといえる。

 

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