ランス・アームストロングの身体能力の推移
ロード・レースで速く走れるようになるには持久力の底上げが必要だが、自分のポテンシャの限界まで達するまでには少なくとも数年、普通は競技を始めてから10年程度はかかるといわれている。今回は「持久力が年単位で改善すること」の好例として、ランス・アームストロングの身体能力の推移を紹介する。
ランス・アームストロングの身体能力の推移
西暦 | 年齢 | LTパワー | 体重 | W/kg | VO2max | 出来事 |
1993年 | 21歳 | 342W | 75kg* | 4.6** | 78.9ml/kg/分 | ツールステージ優勝1回・世界選手権優勝 |
1994年 | 22歳 | 364W | 75kg* | 4.9** | 74.2ml/kg/分 | |
1995年 | 23歳 | 381W | 75kg* | 5.1** | 73.8ml/kg/分 | ツール総合36位(ステージ優勝1回) |
1996年 | 24歳 | 403W | 75kg* | 5.4** | 72.2ml/kg/分 | 癌が判明・治療へ |
1997年 | 25歳 | 263W | 75kg* | 3.5** | 64.1ml/kg/分 | |
1999年 | 26歳 | 416W | 72kg | 5.8** | 77.1ml/kg/分 | ツール初制覇(ステージ4勝) |
2004年 | 31歳 | 493W | 74kg | 6.7** | 83.8ml/kg/分 | ツール6連覇(ステージ5勝) |
*1997年以前の体重は不明に付『今中大介のロードバイクテクニック』の値(ツール初制覇前の数値)を仮置き
**推定値
***最大値(2004年時点ではない可能性あり)
■LTパワーは年単位でゆっくりと向上
アームストロングのような練習量・質ともに世界最高水準であったと思われる選手でさえ、上表のデータのようにLTパワーが年単位でゆっくりと向上していることが見てとれる。LTパワーに代表される持久力の底上げで何より大切なのは、長期間にわたって十分な負荷をかけて「練習を継続すること」といわれているが、それをよく表しているといえるだろう。
参照URL
- ウィキペディア・ ランス・アームストロング Lance Armstrong
- THE ORCA PRESENTS A DAY WITH CHRIS CARMICHAEL
http://www.jt10000.com/team/events/carmichael99/1.htm
参考文献
- Adviser今中大介・『今中大介のロードバイクテクニック』・P84・枻出版社
- ランス・アームストロング, クリス・カーマイケル共著・本庄俊和訳
『ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム』・P151・未知谷