LSDのコツ
LSDは、初心者にとっては「持久力を高める効果」が高く、レベルの高い競技者にとっても「高強度トレーニングの疲労を抜く」「コンディションを整える」「シーズン初期に高強度の練習を行うための土台を作る」といった意味で有効なトレーニング方法のひとつといわれている。
LSDのコツ
■LSDで重要なのは「距離」よりも「時間」
ロードバイクの練習では、ついつい「100㎞走った」「200㎞走った」と距離に意識が行きペースを上げがちになるが、LSDの場合、距離はあまり気にしないほうがよいだろう。LSDの重要な目的のひとつは「毛細血管の末端にまで強い圧力をかけ、毛細血管の発達をうながすこと」だが、これは長い時間ゆっくり止まることなく走り続けることで効果が最大化する(逆に、高強度の練習では毛細血管の末端の血流量は増加しないとの指摘がある)。その意味でLSDのコツは「走行距離を気にせずに楽に長時間走ること(走った時間にだけ注目すること)」といえる。
■競技レベルが高いほど、まとまった時間をかけないとLSDの効果が出にくい
注意点としては、LSDはまとまった時間をコンスタントに取れない場合は、効果が余り期待できない点だ(特にレベルの高い競技者ほどその傾向が強い)。すでに体がかなりできあがっており、練習時間が短いのであれば、割り切って高強度トレーニングや筋トレに集中した方が効率がよい。
■LSDだけではレースで必要な高強度への対応能力は身に着かない
また、LSDで持久力や高強度の練習に備えたベースはできるが、ロードレースやクリテリウムのように高強度のインターバルが繰り返しかかるようなレースで必要な力は身に付かない。そういったレースで好成績を残したいのであれば、LSDに加えて高強度トレーニングが不可欠になる(ゆっくり走るだけでは速くならない)。
■マラソン選手のLSD例:体内のグリコーゲン貯蔵量増加を目的としたもの(参考情報)
その他LSDを用いて体内のグリコーゲン貯蔵量を増加させる方法としてマラソン選手の浅井えり子氏は以下のような手法を紹介している(注:あくまで参考情報)。
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LSDペースで無補給でゆっくり走り、疲労感が強くなってきてもそのまま走行し体内のグリコーゲンを枯渇させる。
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体内のグリコーゲンが枯渇してくると全身疲労感が強まってくるがこれを我慢して走り続けることで、皮下脂肪が分解されエネルギーに変わる。
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またこのような状態に対して体の防衛反応が起き、体内のグリコーゲン貯蔵量が高まり、最終的にスタミナが増す。
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この手法で体内のグリコーゲンを枯渇させた場合は、再度フル充填されるまで約2日間(48時間)かかるので、連日行うことは避ける。
ただしロードバイクで1時間400kcal消費するペースで走行した場合、体内のグリコーゲン貯蔵量1,600~2,000kcalと脂肪とグリコーゲンの使用比率50:50で計算するとと8~10時間もかかる。その間無補給で走るのは現実的ではないので、この手法をそのままロードバイクで用いるのは無理があるだろう。また脂肪の燃焼にはグリコーゲンがが必要なので体脂肪の燃焼促進