LSDの効果が出ているかを簡単にチェックする方法
オフ明けはプロを始めとするトップ選手はLSDからベースを作り直すことが多い。LSDの効果はひじょうに広範多岐にわたるが、その中でも特に重要なのが「心臓が1拍あたりに送り出す血液量(1回拍出量)」を増やす効果がある点だ。
心臓が大きくなる
「1回拍出量」が多いか少ないかは「心臓の大きさ」と表現されこともある。この値が大きいほど心臓は少ない回数で同じ量の血液を送り出せるので、心臓への負担が少なくなる。この「心臓の大きさ」は、1年間高いレベルで走り切るためにはひじょうに重要になるので、トップレベルの選手の多くが、冬の期間・長時間にわたって低強度で実走するLSDを徹底的に行う。2か月程度しっかり乗り込めば、かなり「心臓が大きくなる」。
LSDの効果が出ているか確認する方法
■LSD中の「平均パワー」を「平均心拍数」で割った数字が上昇しているかをチェックする
LSDは低強度で淡々と乗り込む練習で、目に見えた成果が確認しにくいという欠点があると言われているが、実はその効果が出ているかを簡単にチェックする方法がある。それは、パワーや速度に対する心拍数の比率を計算することだ。具体的には、LSD中の「平均パワー」か「平均速度」を「平均心拍数」で割る。この数字がLSDを行っている期間中少しずつ上昇していけばLSDの効果が出ているとわかる。
■具体例
- LSD開始当初
- 平均パワー:129W
- 平均心拍数:122bpm
- 平均パワー/平均心拍数:1.06
- LSD開始2か月後
- 平均パワー:145W
- 平均心拍数:114bpm
- 平均パワー/平均心拍数:1.27←+0.21の改善
参考URL
- Joe Friel・『Base Intensity Question』
http://www.joefrielsblog.com/2011/11/base-intensity-question.html
参考文献
- 北見裕史さん・「ローラー台を使った基礎トレーニング」・『CYCLE SPORTS(年月号不明)』・P56・八重洲出版