筋トレで「使える強い筋肉」を作るには
ロードバイクは筋力(筋肉が発揮できる"力"の最大値)の重要性が比較的低いスポーツであり、また筋肥大しすぎると上りで不利になってしまうので、筋トレの重要性は低いとの指摘がある。しかし短時間しか練習できない時に体に効果的に刺激を与えられることや、弱点部分を集中的に鍛えられるので、その意味では効果があるといえるだろう。ただし注意が必要なのは「筋トレだけ」しかしなければ、「使えない筋肉」が無駄に増えてしまうリスクがある点だ。
筋トレで「使える筋肉」を作るには
■筋トレには不自然で特殊な動き方をするものが多い
筋トレの動き方は、効率よく動作できる(しかも自然に使う)反動動作を、筋肥大という目的のためにあえて行わない極めて"不自然で特殊な動き方"をするものが多い(だからこそ筋肥大の効果も高い)。トレーニングの特異性の原則にあてはめて考えると、筋トレの直接の効果は「その不自然で特殊な動き方の中で、大きな力を出すことができるようになること」といえる。つまり「レースで使う筋収縮速度や動き方」と「筋トレ」がまったく違っていれば、肝心のレース本番で使えない可能性がある。
■筋トレ後にレースで動きの練習を行うか、筋トレの動きをレースで使う動きと似せる
そうならないためには、筋トレで鍛えた後に高回転ペダリングを行うなど、実際にレースで使う動きを組み合わせるとよい。また筋トレの動きを、実際にレースで使う状態となるべく似せると有効性がより高まる。
参考文献
- 谷本道哉著・『筋トレバイブル[アスリート編]』』・P40~41・ベースボール・マガジン社
- 竹谷賢二著・『バイシクル トレーニング ブック』・P180, P189・ベースボール・マガジン社