筋パワーのピーク値を高めるには

【ヒルクライム・上り】【筋トレ・ストレッチ】2011年10月25日 19:18

パワー・メーターで最高出力の計測にチャレンジしてみると、重いギアよりは比較的軽いギアを高速で回した時の方が高いパワーが出やすいことが実感できるだろう。


筋パワーのピーク値を高めるには

■筋パワーは「最大筋力」あるいは「最大筋収縮速度」の1/3程度で得られる

筋パワーは「力×速度」で定義されるが、力と速度は逆の関係にある。具体的には、スピードが速くなると力は小さくなり、力が大きくなるとスピードは遅くなる。筋パワーのピーク値を平均値としてみると、最大筋力あるいは最大筋収縮速度のほぼ1/3程度で得られることがわかっている。

■筋パワーのピーク値を高める方法:成人は「筋力強化」がよい

筋パワーのピーク値を高めるには、最大筋力の1/3~1/2程度のトレーニングが望ましい。成人男性の場合は筋収縮速度の大幅な向上は難しい一方で、筋力の増大は比較的実現しやすいという特性があるので、筋力強化寄りのトレーニングを行った方が、筋パワーのピーク値を高める上では効果が高いといえる。

■筋力強化の方法:「神経系の強化」「筋肥大」の2つの方法

筋力強化方法には、「神経系を鍛え普段1/4~1/3程度余力として残されている(ある意味サボっている)筋繊維を動員し生理的限界近くまで発揮できるようにする方法」と「筋肥大を目指す方法(筋肉量が増えると出せる力も大きくなる)」がある。

「神経系」は筋肉量はそのままで使える割合を増やすというものなので、体重増加につながらない。ロードレースやヒルクライムなどパワー・ウィエイト・レシオが大きく影響するレースを目指す場合は、こちらに重点を置いた方がよいと言える。

一方で平地のレースを主体にするのであれば「筋肥大」を目指しても余り問題にならない。既に相当トレーニングを積んできており、既に神経系が十分鍛えられている場合は、さらなる筋パワーの向上を目指すには、筋肥大させるしかない。

 

参考文献

  • 青木純一郎, 佐藤佑, 村岡功編著・『スポーツ生理学』・P32~33・市村出版
  • 長谷川裕著・『スポーツ動作と身体のしくみ』,P102~103・ナツメ社