筋力の大きさよりも立ち上がりの速さが大切
スポーツ全般にいえることだが、ロードレースでも重要になるのが筋力の立ち上がりの速さだろう。最大筋力がいくら大きくてもロードバイクに乗っている時に、その限界まで発揮することはまずない。
筋力の大きさよりも立ち上がりの速さが大切
■最大筋力に達するまでは数秒の時間が必要
というのも筋肉にグッと力を入れ始めてから最大筋力に達するまでには少なくとも数秒の時間がかかるが、ペダリングの動きはそれよりもかなり速いので最大筋力に達する前に次の回転に入ってしまうからだ。
■筋力の立ち上がりの速さが重要な理由
そこで大切になるのが筋力の立ち上がりの速さだ。
ペダルに実際に力を伝えられるかどうかは、いかにすばやく筋力を高いレベルまで立ち上げることができるかにかかっている。逆に言えば、いくら筋力が高くてもそれを立ち上げる速度が遅ければ、実際にペダルに伝わる力は小さくなり、つまり「速く走れない」。
■SFRや筋トレでは「筋力の立ち上げ速度」は鍛えられない
ロードレースの練習で注意が必要になるのが、SFRやジムでの筋トレだろう。これらの練習方法では、ゆっくりの動きで出せる筋力を高めることはできるかも知れないが、筋力の立ち上げ速度は鍛えられない。
■素早く筋力を高いレベルまで立ち上げる練習も必要
最終的に、せっかく鍛えた筋力をレースで活かすためには、レースで使う速度(ケイデンス)ケイデンスでなるべく素早く筋力を高いレベルまで立ち上げる練習(全力ダッシュ・山岳TT・高速巡航練など)も行った方がよいだろう。
参考文献
- 長谷川裕著・『スポーツ動作と身体のしくみ』・P100, 101, 104, 105・ナツメ社