ロードレーサーが筋力トレーニングを行う際の注意点
「筋力アップがサイクリングにおける持久的パフォーマンスにプラスの効果がある」との研究結果がある。しかし、不思議なことに「持久的パフォーマンスが改善にするにも関わらず、筋力がアップしても全身持久目安であるVO2max改善にはつながらなかった」という研究結果もある。これは一見、矛盾しているようにも思えるが次のような理由によるものと考えられる。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2011.11.06の記事です)■
「筋力アップで持久的パフォーマンス改善する理由」や「筋トレのメリット」
■遅筋の筋力増大が速筋の役割低下につながる
ウェイトトレーニングなどで遅筋の筋力が増大すると、全パワーを生み出す中での遅筋の比率が増加する。つまり疲労しやすい速筋の役割が低下することが結果的に持久的パフォーマンスを改善させるのではないかと考えられている。
メリーランド大学の研究結果では、ウェイトリフティングでの筋力の高さはLTの高さと関係することが示されている。これは、特に体が鍛えられていない初心者の段階で高い効果が認められている。
■高いレベルの選手が筋力トレーニングをするメリット
逆に言えば、すでに高いレベルに達している選手にはあてはまらないケースが多い。しかし高いレベルの選手でも筋力トレーニングのメリットはある。具体的には、怪我の防止や筋肉のアンバランスの是正が挙げられる。特に高いレベルの選手であれば、レースやトレーニングで急激に高い負荷がかかることが多く、時によっては怪我や故障の原因となるが、それを未然に防ぐ役割が期待できる。
ロード・レーサーが筋力トレーニングを行う際の注意点
筋力トレーニングには、様々な種類があるがボディービルダーのような筋肥大に特化したトレーニング方法を行うのは禁物だ。ロード・レーサーとしては、より速くなるための方法に特化すべきであり、具体的には以下の点に注意したい。
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ロードバイクの推進力を生み出す主な原動力である「大きな筋肉」を集中的に鍛える
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筋肉がアンバランスに発達しないように注意する
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できるだけ複数の関節が協調して動くような動作で行う
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できるだけロードバイクのポジションや動きと近い動作で行う
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かならず体幹(腹と腰)を含む動作で行う
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レースシーズン中は特化したメニューを短時間集中で行う
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筋トレの回数は少なくする(1回の練習で行うセット数と反復回数を重視)
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各シーズンで必要となる要素に合わせた内容とする(上りの練習開始前に最大筋力を鍛えるなど)
参考文献
- Joe Friel著・『The Cyclist's Training Bible』・P184~187・velopress