エリート選手は水平方向への筋出力が一般選手より顕著に高い
ロードバイクはペダルを回して力を自転車に伝えるだけのシンプルな運動だけに、そのスキルの巧拙がパフォーマンスに大きく影響するといわれている。
エリート選手は水平方向への筋出力が一般選手より顕著に高い
■コイル博士の研究
テキサス大学のコイル博士の研究*では、エリート選手のペダリングは、ペダルに力がかかり始めるタイミングが一般選手より早く、水平方向への筋出力が一般選手より顕著に高いとの結果が出ており、ペダリング時のトルクの出るタイミング(方向)がパフォーマンスに影響を与えることが示されている。
*Integration of the Physiological Factors Determining Encurance Performance Ability, E.F.Coyle, Ph.D., Exercise and Sport Sciences Reviews, 1995
つまりエリート選手は、一般選手がまだ力をかけていないペダルがいちばん上に来た時には、すでに前に押し出すような力を加えることでより大きな推進力を生み出していると言える。これはペダルを「回す」という感覚や「スムーズでムラがないペダリング」という表現にぴったり当てはまる。
■片足ペダリング
ペダリングのスキル向上に効果的といわれている練習メニューのひとつが、片足ペダリングだ。これがスムーズに行えない場合はスムーズなペダリングにロスがある可能性が高いだろう。走行時の効率性に大きく影響するスキルだけに、定期的に行いたい練習メニューのひとつといえる
参考文献
- CYCLE SPORTS(2005年9月号)・P93・八重洲出版
- ふじいのりあき著・『ロードバイクの科学』・P49・スキージャーナル株式会社