ペダリングで引き足は必要?
ペダリングは単純な動きのように見えてかなり奥が深い技術です。そのペダリングの中に「引き足」という動きがあるのを聞いたことがあるでしょうか?
引き足とは
■足を持ち上げてペダルを引き上げる動き
「引き足」とは、「足を持ち上げて靴に固定されているペダルを引き上げる動き」のことです。ペダルを踏む時だけでなく引き上げるときにも力を入れられるので、昔は「引き足」を使うことでより大きな力を出せると考えられていました。
■引き足を意識し過ぎると「むしろマイナス」との研究結果
しかし様々な研究の結果から「引き足をあまり強く意識しすぎるのは推進力を生むうえでは、むしろマイナスである」ということがわかってきました。プロなど一流選手のペダリングを分析すると、ペダルが下から上に上がる時に、ペダルにはほとんど力がかかっていないのです。
引き足は不要か?
■「それでも引き足は必要」といえそう
それでは、引き足はまったく必要ないのでしょうか?ビンディングでペダルに足を固定している意味はないのでしょうか?
結論をいえば「それでも引き足はやはり必要」といえそうです。
■何もしなければ足の重さなどがブレーキをかける方向に働く
というのも、引き足をまったく使わなければ足の重さなどが負担になって、ペダリング効率が落ちてしまうからです。成人男性の足の重さは片足だけでも10㎏近くあります。もし引き足を全く使わなければその足の重さや回転する時にかかる力などが、回転にブレーキをかける方向に働きます。その分だけ逆側のペダルをより大きな力で踏まなくてはいけなくなり、結果としてペダリングの効率が落ちてしまいます。
■引き足で推進力にマイナスになる力を打ち消すことができる
一方、引き足を使った場合はどうでしょうか?
引き足によって、足の重さなど推進力にマイナスになる力を打ち消してやれば、回転にブレーキがかかることもなく、ペダルはスムーズに効率よく回転できるます。その意味で、「引き足はマイナスの力を発生させないだけの最低限は必要」といえるでしょう。
引き足の練習方法
この引き足は、両足でこいでいるとなかなかうまく意識できませんが、効果的で簡単な練習方法があります。
■片足ペダリング
それは片足のビンディングを外して、例えば右足だけでペダリングしてみることです。これを「片足ペダリング」といいます。初心者の頃は、引き足の動きができていないことが多いので、最初はギジシャクしてうまくできないかも知れません。しかしだんだん慣れてきて、うまくスムーズに回せるようになります。
■ペダリング技術や効率を高めるのに有効な練習方法
「片足ペダリング」はそれほど辛くない練習ですが、ペダリング技術や効率を高めるのに効果的な練習なので、練習の前か後に短時間でよいので定期的に行うとよいでしょう。