トレーニング期間と回復期間の割り振り方のコツ
ピリオダイゼーション(期分け)を用いたトレーニングを行う時に一般的なのは、「3週間トレーニングを行い1週間の回復週を挟む」という方法だろう。この目的は、ある程度まとまった期間トレーニングを継続し身体に「体力向上に必要な刺激」を十分に与えたあと、しっかり回復期間を取ることで体に「適応する時間」を与え、超回復を促すことにある。また疲労をしっかり抜けば、さらなる体力アップのために必要な「より強い負荷」をかけた練習にも取り組めるだろう。しかし、このトレーニング3週間と回復1週間というのはあくまで目安であり、年齢・回復力・レーススケジュール・日常生活での疲労度合などにより、ある程度柔軟に変えていく必要がある。今回は、biketrainingtips.comを参考に「トレーニング期間と回復期間の割り振り方のコツ」を紹介する。
3:1 低強度で量をこなす時期に向いている
■3週間練習し1週間の回復週を挟む
3週間トレーニングを行い1週間の回復週を挟む方法(3:1)は、どちらかというと「低強度である程度のボリュームの練習をこなす時期(例:基礎期間)」に向いている。
■3:1のマイナス面
しかし高強度のインターバルに取り組む時期や、きつい負荷が体にかかるレース期間には、より短期間で疲労度が増すので、この割り振り方では回復が追いつかないケースもありえる。また7日間もじっと練習再開をガマンするのは意外と難しいことや、ある程度まとまった時間をかけて練習すべき貴重な週末が丸々つぶれてしまう、といったマイナス面もある。
16:5 高強度で練習する時期に適した方法
■16日間練習し5日間回復にあてる
これらの欠点を補う代替策のひとつに、2週間(14日)+2日間(計16日間)を練習に割り振り、その後5日間を回復にあてるという方法(16:5)がある。例えば、土曜日に練習期間を開始し、翌々週の日曜日まで(14日間+2日間=16日間)練習する。そして平日(月~金曜日の5日間)は回復にあてるといった具合だ。この場合、練習と回復の比率は16:5で、おおまかにいえば3:1となる。
■16:5のメリット:
16:5のメリットには、以下のようなものがある。
- 3:1よりも頻繁に回復期間を取るので、より強度の高いトレーニングを行いやすい
- 週末をフルに使えるので、長時間の練習に取り組む機会を増やせる
- レース・スケジュールに合わせて調整しやすい
10:4 レース期に適した方法
■10日練習し4日間の回復を挟む
またレース期間に適した方法として、10日間練習し4日間の回復を挟む方法(10:4)がある。例えば、3/5(月)にトレーニング期間を開始し、3/13(火)までの9日間トレーニングを行い、3/13(水)・14(木)の2日間は回復日とする。3/15(金)にレース用のウォーミング・アップを行い、3/16(土)にレースに出場する。レース翌日の3/17(日)は休みとし、月曜日からトレーニングを再開するといった具合だ。レース前日のウォーミング・アップも回復日として計算すると、トレーニングと回復の比率は10:4になる。
■10:4のメリット
10:4のメリットには、以下のようなものがある。
- 16:5以上に頻繁に回復期間を取るので、レース期間のように練習強度を高く保ちつつ練習量を少なくする時期に向いている
- レース前に3日間の回復日があるので、疲労を抜いたフレッシュな状態でレースに臨める
注意点
- 3週間・16日・10日といったトレーニング期間(トレーニング・ブロック)の間にも、適宜休養日を挟む必要がある(トレーニング期間中、ずっと練習を続けるわけではない)。
- 16:5や10:4はあくまでひとつの目安であり、レース スケジュール・練習量・強度・ストレス(仕事・家庭などの日常生活)・睡眠時間や質なども含めた体調(疲労度合)に応じて適宜調整が必要。
- 最重要レース前にきっちりとテーパリングを行うのであれば、上記スケジュール例に縛られず、別途自分に最適なスケジュールを組んだほうがよい。
参考URL
- biketrainingtips.com・『How to balance training and recovery periods』
http://www.biketrainingtips.com/2011/08/how-to-balance-training-and-recovery.html