領域 II:タイム・トライアルおよび短距離のロード・レース ~最適なパフォーマンスを発揮するためには6つの能力をどのように組み合わせたらよいか~【CTB】

【期分け・練習計画】【立ち読み版】2014年10月22日 00:01

領域 II:タイム・トライアルおよび短距離のロード・レース

■ヒル・クライム能力が必要

領域 IIのレースは、15~30kmのタイム・トライアルと3時間未満のロード・レースなどです。たいていの場合、上りでレース結果が決まります。米国でよく見られるロード・レースはこのタイプです。

領域 IIでは、ヒル・クライム能力が要です。ヒル・クライムを極めるには何が必要でしょうか。上りが得意な選手のほとんどが、身長 1インチあたりの体重が2ポンド(1cmあたり約363g)未満です。彼らはたゆまぬ努力で、高いVO2maxと LTパワーを身につけており、これによって体重1ポンドあたりで大きなパワーを生み出すことができます。また、生粋のクライマーはエコノミーに優れた上り方を身につけており、特にダンシングで上っている時のケイデンスが高い傾向があります。以下の図は領域 IIの優先度を示しています。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。