トレーニングの特異性とレース
トレーニング効果には特異性があり、与えられた刺激に反応して体の適合が起こる(トレーニング効果が現れる)。つまり、トレーニングの強度や反復回数によってトレーニング効果は違ってくる。
トレーニングの特異性とレース
■トレーニングでできないことはレースでもできない
レースで筋肉がどう動くかは、ひとえにトレーニングでどう動かしていたかによるので、トレーニングで出したことのない高いパワーを長時間レースで出してしまうと、足が終わってしまうリスクが高いといえる。ピーキングの巧拙も当然関係するが、「トレーニングでできないことはレースでもできない」というのが普通だろう。
■目標レースに近い強度や距離で鍛えるがベスト
レース対策としてベストなのが、目標とするレースに近い強度や距離のレースに出場することだろう。もし似たようなレースがない場合でも、レースのパワー・データがあれば、レースで必要となる強度や持続時間を調べ、その内容に近い練習メニューを組めば、効果的なレース対策ができるだろう。
■水泳とランの実験で確かめられたVO2maxの「特異性」
この特異性の原則は実験でも確かめられており、水泳でVO2maxを鍛えて水泳時のVO2maxが著しく増大したとしても、トレッドミル(ランニングマシン)でのVO2maxは殆ど変化しないという。
参照URL
- 新潟大学 山崎健教授・「生理学・運動生理学資料『筋力の科学』」・P21
http://yamaken.ed.niigata-u.ac.jp/~renraku/mslpower.pdf
参考文献
- 杉晴夫[編著]・『やさしい運動生理学』・P76・南江堂