グリコーゲンがある限度以下に減少すると著しい疲労感が起こる

【レース対策情報・レース戦術】2011年9月29日 20:20

レース中に足が売り切れて集団から千切れてしまうのは、それまでに筋繊維と肝臓中のグリコーゲンを使い切ってしまったことが原因である可能性が高い。

 

グリコーゲンとパフォーマンス

■グリコーゲン減少の悪影響

筋グリコーゲンと肝臓中のグリコーゲンがある限度以下に減少すると、酸素や脂肪分が十分に足りていても、以下の2つがが原因となり著しい疲労感に襲われるといわれている

  1. 脳の中枢神経の働きに異常が出ること 

  2. グリコーゲンがないと脂肪をエネルギーとして利用できないこと 

この筋グリコーゲンは、勝負どころでアタックがかかった時のメイン・エネルギーでもあるので、ロード・レースで上位入賞を目指すのであれば「いかに筋グリコーゲンを節約して走るか」が重要になる。

■筋グリコーゲンを節約するための方法

レースで筋グリコーゲンが消費されるのは速筋繊維を使った時で、具体的には「重いギアを踏んだ時」や「急激に加速した時(急激なパワー変動があった時)」や「FTPを超えてパワーを出した時」などがある。逆に言えば「なるべく軽いギアを回し」「速度(パワー)の変動は最小限に抑え(例:上りでは抑え目にし下りでしっかり踏む)」「FTPを超えてパワーを出すのは最小限にとどめる」といったことをレース中に強く意識するだけでも筋グリコーゲンはかなり節約でき、勝負どころに足が残せる可能性が高まる。

 

参考文献

  • 杉晴夫編著・『やさしい運動生理学』・P97・南江堂