グリコーゲンがある限度以下に減少すると著しい疲労感が起こる
レース中に足が売り切れて集団から千切れてしまうのは、それまでに筋繊維と肝臓中のグリコーゲンを使い切ってしまったことが原因である可能性が高い。
グリコーゲンとパフォーマンス
■グリコーゲン減少の悪影響
筋グリコーゲンと肝臓中のグリコーゲンがある限度以下に減少すると、酸素や脂肪分が十分に足りていても、以下の2つがが原因となり著しい疲労感に襲われるといわれている
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脳の中枢神経の働きに異常が出ること
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グリコーゲンがないと脂肪をエネルギーとして利用できないこと
この筋グリコーゲンは、勝負どころでアタックがかかった時のメイン・エネルギーでもあるので、ロード・レースで上位入賞を目指すのであれば「いかに筋グリコーゲンを節約して走るか」が重要になる。
■筋グリコーゲンを節約するための方法
レースで筋グリコーゲンが消費されるのは速筋繊維を使った時で、具体的には「重いギアを踏んだ時」や「急激に加速した時(急激なパワー変動があった時)」や「FTPを超えてパワーを出した時」などがある。逆に言えば「なるべく軽いギアを回し」「速度(パワー)の変動は最小限に抑え(例:上りでは抑え目にし下りでしっかり踏む)」「FTPを超えてパワーを出すのは最小限にとどめる」といったことをレース中に強く意識するだけでも筋グリコーゲンはかなり節約でき、勝負どころに足が残せる可能性が高まる。
参考文献
- 杉晴夫編著・『やさしい運動生理学』・P97・南江堂