ロード・レース前のチェック・ポイント
ロード・レースではFTPが高ければ集団から千切れることはなくなるだろうが、勝つには「短時間の高出力」「アタックを掛けるタイミング」「下りのコーナリングのテクニック」「集団内での位置取りのセンス」「スプリント能力」などさまざまなスキルや身体能力を身に着けている必要がある。最終的に「運」も絡んでくるが、意外に重要なのがロード・レース前の試走で「勝負に関わるポイント」をチェックしておくことだ。
ロード・レース前のチェック・ポイント
『Cycling FAST』ではロード・レース前に、以下6点をチェックしておくことをすすめている。
- カーブとその位置*
- 上りの長さと勾配*
- スプリントを開始する場所の目印
- 各区間での風向き(どの場所に位置取りしたらドラフティングに効果的か)
- 補給場所の位置
- 道が細くなる場所、広くなる場所、障害物がある場所(自らアタックを仕掛けたり、他の選手のアタックを注意すべき場所)
*実業団レースや多くの有名な大会のコース情報はルートラボなどに掲載されていることが多いので、コース・レイアウトや高低差情報などをチェックするのに役立つ
その他チェック・ポイント
■レーサー・リスト
また事前にレーサー・リストをチェックできるのであれば、「出走予定人数」「どのチームが出るか」や「マークすべき強い選手」もチェックしておいがほうがよいだろう(ゼッケン番号を覚えておくと走行中もチェックできる)。
■試走で仲間とレース・スピードで走る
試走はかならず行うべきで、可能であればチーム・メイトと重要な区間をレース・スピードで走っておくとレース時のリアルな感覚がつかめる。
■チーム・メイトのアドバイスを聞く
以前、過去にそのコースでのレースに出たことがあるチーム・メイトがいれば、「落車が起こりやすい危険なカーブ」や集団が縦に伸びやすい区間など「ポジションを上げておいたほうがよいポイント」などを聞いておくとかなり役に立つ。
■過去の同レースのブログをチェックする
またレース前日までに、過去同じレースに出た選手のブログを読んでおくとレース展開をイメージしやすくなるだろう。
■実力・脚質を踏まえたレース戦略をもつ
基本的なことだが、これらをチェックしたうえで自分の実力や脚質も踏まえたレース・プラン(戦略)をもって臨めば、少しでも勝つ確率を上げられるだろう。
参考文献
- Robert Panzera著・『Cycling FAST』・P47~48・Human Kinetics社