競輪学校の練習メニュー「5MC」(乳酸系 乳酸耐性 スピード持久力)

【トレーニングメニュー】【レース対策情報・レース戦術】2012年4月23日 20:00

競輪学校で用いられている「キャパシティーとパワーのトレーニング理論」を以前紹介したが、『コーチング・クリニック 2007年 11月号』には、キャパシティートレーニングが10種類・パワートレーニングが6種類、かなり具体的に紹介されている。今回はその中から、キャパシティートレーニングのひとつ「5MC*」を紹介する。

*競輪学校での名称


競輪学校の練習メニュー「5MC」

■乳酸系・乳酸耐性・スピード持久力強化が目的のメニュー

5MCは「乳酸系・乳酸耐性・スピード持久力」の強化をトレーニング目的とした練習メニューで、1回の走行距離は500mと全力をふりしぼる無酸素系のトレーニングとしてはやや長い。ゴールのかなり手前から仕掛けるロング・スプリントに近いイメージといえる。

■バンクか交通量の少ない道で行う

競輪学校ではバンクで行われるメニューだが、そのような練習環境がなく屋外で実施する場合は、郊外の見通しがよく交通量の少ない道で行ったほうがよいだろう。

『コーチング・クリニック 2007年 11月号』では、5MCには「スタート後ゴールまで加速を続ける」ものと「スタートからゴールまでスピードを落とさない」ものの2つのバージョンが記載されているが、ここでは「スタート後ゴールまで加速を続ける」バージョンを紹介する。

■5MC「スタート後ゴールまで加速を続ける」バージョン

  1. ギアは前輪46~48-後輪14とし、フライングスタート(助走あり)で開始する。
  2. 最初は負荷強度**85%から入り、125mごとに負荷強度を5%ずつ上げて行く(下表ご参照)。
    (スタート後ゴールまで加速を続ける)
  3. ラスト125mは全力でもがき、終了後9分間休憩する。
  4. 1~3を1セットとし、合計5~10セット行う。
距離 負荷強度
0~125m 85%
126~250m   90%
 251~375m  95%
376~500m   100%

 

**負荷強度:ATP-CPr系と乳酸系の無酸素性種目は主観的な運動強度とし、酸素系の有酸素性種目は心拍数で設定。5MCは乳酸系の無酸素性種目なので、主観的な運動強度を目安とするとよいと思われる。

 

参考文献

  • 田畑昭秀主任・「競輪学校のキャパシティー&パワートレーニング」・『コーチング・クリニック 2007年 11月号』・P20~23・ベースボール・マガジン社