競輪学校の練習メニュー「5MC」(乳酸系 乳酸耐性 スピード持久力)
競輪学校で用いられている「キャパシティーとパワーのトレーニング理論」を以前紹介したが、『コーチング・クリニック 2007年 11月号』には、キャパシティートレーニングが10種類・パワートレーニングが6種類、かなり具体的に紹介されている。今回はその中から、キャパシティートレーニングのひとつ「5MC*」を紹介する。
*競輪学校での名称
競輪学校の練習メニュー「5MC」
■乳酸系・乳酸耐性・スピード持久力強化が目的のメニュー
5MCは「乳酸系・乳酸耐性・スピード持久力」の強化をトレーニング目的とした練習メニューで、1回の走行距離は500mと全力をふりしぼる無酸素系のトレーニングとしてはやや長い。ゴールのかなり手前から仕掛けるロング・スプリントに近いイメージといえる。
■バンクか交通量の少ない道で行う
競輪学校ではバンクで行われるメニューだが、そのような練習環境がなく屋外で実施する場合は、郊外の見通しがよく交通量の少ない道で行ったほうがよいだろう。
『コーチング・クリニック 2007年 11月号』では、5MCには「スタート後ゴールまで加速を続ける」ものと「スタートからゴールまでスピードを落とさない」ものの2つのバージョンが記載されているが、ここでは「スタート後ゴールまで加速を続ける」バージョンを紹介する。
■5MC「スタート後ゴールまで加速を続ける」バージョン
- ギアは前輪46~48-後輪14とし、フライングスタート(助走あり)で開始する。
- 最初は負荷強度**85%から入り、125mごとに負荷強度を5%ずつ上げて行く(下表ご参照)。
(スタート後ゴールまで加速を続ける) - ラスト125mは全力でもがき、終了後9分間休憩する。
- 1~3を1セットとし、合計5~10セット行う。
距離 | 負荷強度 |
0~125m | 85% |
126~250m | 90% |
251~375m | 95% |
376~500m | 100% |
**負荷強度:ATP-CPr系と乳酸系の無酸素性種目は主観的な運動強度とし、酸素系の有酸素性種目は心拍数で設定。5MCは乳酸系の無酸素性種目なので、主観的な運動強度を目安とするとよいと思われる。
参考文献
- 田畑昭秀主任・「競輪学校のキャパシティー&パワートレーニング」・『コーチング・クリニック 2007年 11月号』・P20~23・ベースボール・マガジン社