レースでパフォーマンスをよくするためのコツ
練習では体力を上げるのに十分な刺激を身体に加えるために「しっかり負荷をかけて練習すること」が大事になる。しかしレースで少しでもよい順位でゴールするためには、少し奇妙に思えるかも知れないが、この逆を心掛ける必要がある。今回は、「レースでパフォーマンスをよくするためのコツ」を、アームストロングのコーチを長年務めたクリス・カーマイケル氏らの著書『The Time-Crunched Cyclist』より紹介する。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2012.02.03の記事です)■
レースでパフォーマンスを上げるためのコツ
■「筋グリコーゲン」の温存がポイント
このコツのいちばんのポイントは「勝負どころまでいかにエネルギーを節約するか」ということだ。そうすれば、勝負どころで高強度のインターバルがかかった時に必要なエネルギー源である「筋グリコーゲン」を少しでも多く温存できるだろう。
*これは優先順位がもっとも高く、少しでも高い順位でのフィニッシュを目指すレースのためのコツなので、練習も兼ねた優先順位の低いレースではあてはまらない場合もある(体力アップが目的であれば序盤からアタックするなどして全力を出し切るほうがよいだろう)。
具体的には、以下のような方法が『The Time-Crunched Cyclist』では紹介されている。
■レースでパフォーマンスを上げるためのコツ
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ペダリングをなるべくせずにすむ方法を身に着ける(これは以下のコツとも絡む)
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集団の先頭付近に位置取りする
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先頭を引く時間は短目にする
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時には先頭を引くのをスキップする(ただし余りに目立たないように注意する)
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巡航する時は重いギアを選ぶ(低パワーで巡航する時はケイデンスを落とす)
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必要なところでだけパワーを出す
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勝負どころまで待つ
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なるべくスムーズにペダリングする(急加速はなるべく避ける)
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レース前とレース中に高炭水化物食でなるべく多くのカロリーを摂る
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賢くアタックをする(激しく素早く・ペースが最高に上がったタイミングで・効果的な場所で**)
*急勾配の上り坂・コーナー・道が狭くなる区間など
■練習や優先順位の低いレースでスキルを磨く
ただし、これらを最重要のレースでぶっつけ本番でやろうとしても「練習でできないこと・やっていないことは本番でもできない」ことが多い。その意味では、「チームでのレース強度に近い練習」や「優先順位の低いレース」などで、これらのスキルを磨くことに集中する機会を設けるのも一案だろう。
参考文献
- Chris Carmichael AND Jim Rutberg共著・『The Time-Crunched Cyclist』・ P145~P148・Velopress