集団で働かない「ただ乗り」ライダーへの対処方法
レースで小集団になった時は、全員が協調してローテーションする場合が多い。しかし時には、明らかにまだ足が残っているにも関わらず先頭交代を拒否して着き位置に徹し、いわば「ただ乗り」を決めこむ選手もいる。これがゴールが近くなった段階の先頭集団であれば、ゴール・スプリントに向けて一人だけ足をためようとしている可能性が高いので、他の選手としては何らかの対策が必要になるだろう。今回は、そのような「ただ乗り選手」への対処方法を、『勝つための自転車レーステクニック』を参考に紹介する。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2012.04.06の記事です)■
「ただ乗り選手」への対処方法
■意識的に中切れを発生させ「ただ乗り選手」に埋めさせる
- 「ただ乗り選手」の前の選手がスピードを落とし、集団との距離を20~30m程度まで空ける(意識的に中切れを発生させる)。
- 「ただ乗り選手」に中切れを埋めるようにいう。
- 「ただ乗り選手」が納得して自分の前に出て集団に追いつくべく引きだしたら、その後ろにつく(集団に合流したらそのままローテーションに参加させる)。
- 「ただ乗り選手」が中切れを埋めるのを拒否した場合は、一気にダッシュして集団に再合流する。ダッシュのさいは、「ただ乗り選手」が自分の後ろについてドラフティングできないように、走行ラインを一気に横に変える。
- 「ただ乗り選手」が集団に再合流してきた場合は、次の選手がすぐさま同じ動きをする。
- 最終的に「ただ乗り選手」が観念してローテーションに加わるか、力尽きて集団から脱落するまで同じ動きを繰り返す。
■注意点:事前に意思統一が必要
この戦術はローテーションしている選手全員で協力して行わなければ効果が薄いので、仕掛ける前に意思統一をしておいた方がよいだろう。
参考文献
- E・ボリセヴィチ著・『勝つための自転車レーステクニック』・P132~133・並木書房