スプリント用・反応時間改善メニュー

【トレーニングメニュー】【レース対策情報・レース戦術】2012年10月8日 07:00

他の選手がスプリントを先に仕掛けた場合、その動きに反応するまでの時間が短ければ短いほど、後ろにつくためのパワーが少なくて済み、結果的に自分にとって有利になる。今回は、「スプリント用・反応時間改善メニュー」を『BASEBUILDING for CYCLIST』などを参考に紹介する。

 

スプリント用・反応時間改善メニュー

■「考える時間」を省くための反復練習

このメニューは、練習の時から「スプリントで反応が必要な状況」を再現して反復練習することで、「どう反応すべきか」を考えなくても自動的に体が反応できるように準備することが主な目的となる。いわば「考える時間」(=「判断する時間」)を省くための練習ともいえ、これによって反応時間の短縮効果が期待できる。

■行い方

  1. 2名で行い、「スプリントを掛ける役」と「反応する役」を決める。
  2. 「反応する役」は、「スプリントを掛ける役」のペースに合わせて並走し、スプリント開始のタイミングを待つ。
  3. 「スプリントを掛ける役」は好きなタイミングでスプリントを開始する。
  4. 「反応する役」は、「スプリントを掛ける役」の筋肉が動きなどからスプリント開始を察知したら、スプリントを開始する。
  5. スプリント終了後、「スプリントを掛ける役」と「反応する役」を入れ替えて、再度行う。

■注意点など

  • 2名並走で全力スプリントをするので、交通量が少なく、安全が確保できるコースで行う。
  • スプリント開始までの並走時は、なるべく筋肉をリラックスさせておく(筋肉がリラックスした状態の方が、少ないエネルギーで素早く反応できる)。また息を止めないように注意する。
  • 「反応する役」は、一旦相手の動きに反応してスプリントを開始した場合は、「タイミングが早すぎたか?」と躊躇したりせずに、そのまま全力を出し切る(躊躇による減速は、スプリントで致命的なミスとなることが多い)。
  • チーム練では、合図役(集団のいちばん端を走行)が笛を鳴らしたら、スプリントを開始する、などといった方法で行うとよいだろう。

 

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参考文献

  • THOMAS CHAPPLE著・『BASEBUILDING for CYCLIST』・P222・velopress