回復促進のためのレース後のローラー

【レース対策情報・レース戦術】【疲労・回復・睡眠】2012年10月16日 07:29

レースでは体を限界まで追い込めるので「最高の練習」と呼ばれることもある。しかし負荷が高い分、回復も重要になる。レース後の回復促進方法にはさまざまなものがあるが、今回はクールダウン時のローラーの活用方法を紹介する。

 

回復促進のためのレース後のローラー

■行い方

おこない方はごくかんたんで、レース終了後、15分程度「快適」と感じるペースでローラーで足を回すだけだ。

■L1かVO2maxパワーの30~50%程度が目安

クールダウンの効果のひとつに血中乳酸の除去促進があるが、これはVO2maxの32%の強度で最大になるとの研究結果がある。ただし「快適」と感じるVO2maxの52%や56%で運動した場合でも乳酸の除去率に大きな差はないとの指摘もあるので、それほど神経質になる必要はないだろう。

FTPがわかっている場合はL1(FTPの55%以下)、MAPテストなどでおおよそのVO2maxパワーがわかっている場合は、その30~50%程度を目安にするとよいだろう。

■プロ・チームの活用事例

ツール・ド・フランス2012では、チーム・スカイやオメガファルマ・クイックステップといったチームが、各ステージのゴール直後にローラーを活用したクール・ダウンを行っていたことが知られている(以下はチームスカイのレース後のクールダウンの様子や、各チームへのインタビュー動画)。

 

参照URL

参考文献

  • ニコラ・ペルテュイ文・「効率的な回復方法」・『ベロマガジン日本版vol.2』・P92~93・ベースボール・マガジン社
  • 青木純一郎, 佐藤佑, 村岡功編著・『スポーツ生理学』・P45~47・市村出版