■■本場フランスのアマチュアレース第5回「レースのカテゴリーについて」&「風を読む」■■
本場フランスのアマチュアレース第5回「レースのカテゴリーについて」&「風を読む」
Text by KINAN AACA チーム代表 加藤 康則
こんにちは!今回、レース(COUPE DE AACA 第1戦「Grand Prix de Nagaragawa(グランプリ長良川)」)を開催してみて主催者さんの苦労が実感としてわかりました。あらためて今まで参加させて頂いたレースの主催者さん、その関係者さんに深くお礼申し上げます。
今回のレースを走られた選手の多くから「楽しかった!」といったお言葉をいただきましたが、果たして全員がそうだったのでしょうか?
レースのカテゴリーについて
■ロードレースの楽しみが一番感じられる時
私が思う自転車ロードレースの楽しみが一番感じられる時というのは「自分の意思で動いてほんの少しでも展開に絡んだ時」でしょうか。レベルの高い、ただ引きずられるだけのロードレースで、完走を目指す走りでは勝つために必要なことの多くは学べません。
自分で動くことがままならないカテゴリーでのレースは集団についていくことが精いっぱいになってしまい、展開に合わせた動きなどもあまり学べません。そこで、私からのご提案です。
■1つカテゴリーを下げて走る
1つカテゴリーを下げて走られてはいかがでしょうか?
自分の意思で展開に絡める様になると、レースについていくだけの頃と比べて見える世界がまるで違ってきます。なんとか完走することよりも、カテゴリーを一つ下げて逃げる。展開に絡む。これをお勧めします。こっちの方がよっぽど良い経験ができます。
「自分にはアタックするなんてレベルが高すぎるんじゃないだろうか?」なんて思われている人も、もしかしたらいらっしゃるのではないでしょうか?
■勝ってから上のカテゴリーに挑戦する
カテゴリーを下げればいいんです。勝ってから上のカテゴリーに挑戦する。これでいいんです。
フランスのカテゴリーはしっかりと確立されていて、シーズンの途中で上のカテゴリーに上がりたい場合は、同一カテゴリーで「4勝」しなければなりませんでした(2002年当時)。
見栄を張って上のカテゴリーで頑張らなくてもいいんです。展開する力が備わってから、上のカテゴリーに上がればいいんです。
■ヨーロッパの選手が強い理由
ここでいう「力」とは体力的なことはもとより、「技術的な面」や「レースの展開に絡む経験」も含みます。階段を一つ、また一つと駆け上がっていきましょう!それができる環境がフランスにはありました。レースでしか学べないことの方が多いんです。
なぜ、ヨーロッパの選手が強いのか。それは小さいころから培ってきた圧倒的なレース経験によるものだと思います。
さて本題として今回は「風を読む」です。今回も体験談形式でお話ししますので、よろしくお付き合いください。
注:このコラムに書く内容は私自身の体験をもとに私の主観に基づいて書いていますのでその点、ご容赦ください。
風を読む
■風がきつい中でのレース
「今日は風がきついレースだぞ!お前は小さいから大丈夫か?」
と監督に言われてスタート。
調子は悪くなく、勝ち逃げには乗れなかったが何とか第二集団に乗ることができた。10人ほどの集団は、先頭の6人に追いつくべくキレイにローテーションが回る。少しずつ、勝ち逃げに追いつきだした。ところが・・・。
街を抜けてコーナーを曲がった途端、今まで向かい風だったのに進行方向が変わり風の向きが90度変わった!・・・と、何か違和感が・・・。僕はどうやらローテーションのまわり方を逆にしてしまったみたいだ。
■風向きに合わせてローテーションの方向を変える
フランス人選手は皆、慣れたもので風の向きに合わせてローテーションの方向を進行方向が変わるのに合わせて変えていく・・・。
右側から風が来ていれば追い越される選手は右うしろへよけていく(下図を参照)。
左側から風が来ていれば追い越される選手は左うしろへよけていく(下図を参照)。
フランスでは常識、横風区間の斜めローテーション。こんなことも知らない僕は、戸惑うとともに無駄に足を使うはめに・・・。そして突然、現れた短いが急な激坂で集団から遅れてしまう。
勝った選手は一緒に第二集団で走っていた選手だった。
「あの集団、先頭に追い付いたんだ!」
教訓:ローテーションは風向きに合わせて後ろに下がる方向がある
前の選手の風下に少しでも長くいられるように走らないと、大事な勝負どころでは足がなくなって置いていかれてしまう。