水分補給とパフォーマンス
運動中に体重のたった2%(体重60㎏であれば、たった1.2㎏)の体液が失われただけで心拍数や体温が上昇する。またこのレベルから有酸素運動の能力が低下し始める。
水分補給とパフォーマンス
■体温上昇で運動能力が低下する理由
体温が上昇すると運動能力が低下する理由は、熱を発散するために皮膚の血管が広がり、そこに血液を優先して送り込むので、動いている筋肉への血流量が低下するからだ。
■体重の4~5%の体液が失われると能力が30%低下
脱水症状がさらに進み4~5%(体重60㎏で2.4~3㎏)の体液が失われると能力が30%低下する。
■十分な水分補給が大切
酷暑の時のレースや練習後には体重が2~3㎏減ることは珍しくはない。しかしその分確実にパフォーマンスは低下してしまうだろう。水分補給が十分であれば体温上昇は抑制され、疲労感も少なくなる。運動前後で体重が変わっていないのが理想と言える。
■高強度の運動の20~30分前に500ml~1リットル程度の水分摂取する
高強度のレースやトレーニング中は、発汗量が多くなり水分の摂取必要量も多くなる。しかし高強度の運動中には体が吸収できる水分量に限界があるので、発汗量に見合う水分摂取ができないリスクがある。このリスクを回避するには、運動実施20~30分程度前に、500ml~1リットル程度の糖濃度が低い水分を摂取しておくという方法がある。
■3~4時間以上の運動ではミネラルの補給が必須
2~3時間程度の運動であればミネラル(ナトリウム・塩素・カリウム・マグネシウム)を補給しなくても大丈夫といわれている。他方、3~4時間以上運動を継続する場合はミネラルの補給が必須となるので、スポーツ・ドリンクなどを活用したほうがよいだろう。
参考文献
- 『ミラクルトレーニング 7週間完璧プログラム』
- 『スポーツ生理学』