練習直後のプロテイン摂取が回復を早めることを示す研究事例
練習直後のなるべく早いタイミング(おすすめは30分以内)で炭水化物を摂取すると、練習中に減少した筋グリコーゲンの貯蔵量を素早く増加させる(回復させる)効果があると知られている。これは多くの研究結果で確認されており、この方法は回復を早めるのに有効だといえる。それでは練習後のプロテイン摂取はどうだろうか?この研究結果などについてジョー・フリール氏のブログより紹介する。
「練習後のプロテイン摂取」の回復への効果に関する研究事例
練習後のプロテイン摂取の回復への効果は、炭水化物よりは研究事例が少ない。しかし「練習直後のプロテイン摂取によってプラスの効果があった」との研究結果を支持する以下のような研究結果がここ最近複数発表されている。
■研究事例(1)
6人のサイクリストが、練習後のリカバリー・ドリンクとして炭水化物にプロテインを加えたものを飲んだところ、炭水化物だけ入ったドリンクを飲んだ場合よりもグリコーゲンの再合成が29%も高い値を示した。
炭水化物とプロテインの比率は2:1で。摂取量は体重1㎏あたり4.8kcalだった。
炭水化物はマルトデキストリンでプロテインはホエープロテインを使用した。
■研究事例(3)
10人のトレーニングを積んだサイクリストが90分間VO2maxの77%で走行し、次の2つのケースについて調査した。
- 練習直後と30分後に炭水化物(25g/100kcal)入りドリンクを摂取
- 炭水化物にプロテインを加えたドリンク(25g+10g/計140kcal)を摂取
筋肉のタンパク質の再合成は、2の炭水化物にプロテインを加えたドリンクの方が+35%高い値を示した。
■研究事例(3)
10人のサイクリストが、VO2maxの70%の強度で1.5時維持を3本行った後、ただちに10分間のインターバルを行った。その後4時間休憩し、40㎞TTを行った。運動直後とその2時間後の休憩中に、チョコレート・ミルク(炭水化物+プロテイン)・炭水化物ドリンク(炭水化物のみ)・プラセボ(偽薬)のいずれかを摂取した。
40㎞TTの結果は「炭水化物+プロテイン」の組み合わせが最も速かった(炭水化物比:+8%・偽薬比:9%)。
■練習直後の炭水化物とプロテイン摂取はプラスの効果があるのは間違いない
これらの研究結果を踏まえると、「練習(特にハードな練習)の直後に炭水化物とプロテインを摂取することは、プラスの効果があることはまず間違いない」というのが、ジョー・フリール氏の見解だ。ジョー・フリール氏は「ハードな練習後30分以内に炭水化物とプロテインを摂取すること」を選手に指導しているという。摂取量については、練習の条件に応じてかなり違ってくるので「食欲」「のどの渇き具合」といった感覚を頼りに、選手自身で判断するのが現実的だろう。
参照URL
- Joe Friel・『Should You Use Protein After a Workout?』
http://www.joefrielsblog.com/2012/01/should-you-use-protein-after-a-workout.html