週10時間の練習で欧州マスターズ選手権で銅メダルを獲得した選手の練習メニュー
練習時間が多く取れない場合の「鍵」のひとつは、練習効率が高い部分にのみに集中してトレーニングすることだろう。今回は、欧州マスターズ・トラック選手権大会3㎞個人追い抜き競技の年代別(45~49歳)で、2010年に銅メダルを獲得したピーター・エトレス氏の練習メニューの一部を紹介する。■この記事は、旧サイトからの移行分です(2011.12.05の記事です)■
週10時間の練習で欧州マスターズ選手権で銅メダルを獲得した選手の練習メニュー
■多忙で長時間練習できないというハンデの中での練習
ピーター氏の競技力はすでにかなり高かったものの、多忙でトラック競技場で練習できる機会はごく限られており、長時間練習できないというハンデがあった。それでも目標の欧州マスターズ選手権に向けて競技力を伸ばすために、ジェスファー・ボンド・メデュウス氏の指導のもと、13週間のトレーニングを開始した。 TRAINING4CYCLISTS.comで公開されている練習内容の一部は、以下のようなものだ。
■3km個人追い抜き用練習メニュー:合計練習時間:9時間/週
月曜日 休み
火曜日 2時間半 35秒:400W(5.3W/㎏)+25秒:200W(2.6W/㎏)×8本
水曜日 休み
木曜日 2時間半 3㎞タイムトライアル・20分:260W(3.4W/㎏)(100rpm超)
金曜日 休み
土曜日 2時間 1,000m走×5本(95%*)・インターバル間に10分間の回復走を挟む
日曜日 2時間 20秒:600W(7.9W/kg)+4分40秒:120W(1.6W/kg)×10本
*「5分の全力走(オール・アウト走)の平均パワーの95%」の意味と思われる(関連URL・http://www.training4cyclists.com/introduction-to-training-with-power-meter/)
注:ピーター氏の体重は76㎏
■約3分半のパワーを最大化するのに特化した内容
メニューは3㎞個人追い抜きで必要となる約3分半のパワーを最大化するのに特化した内容となっている。短時間・高強度で有酸素運動とVO2maxインターバルに重点を置いているのが特徴だ。
■週平均10時間の練習でも出力は大幅に改善
練習時間は、平均で週10時間(6~15時間の範囲)しか確保できず、ほとんどの練習がトラック競技場でなく一般道で行われたにも関わらず、ピーター氏の3分半の出力は大幅に改善した(396W→424W:+28W)。その結果、欧州マスターズ選手権で見事銅メダルを獲得できたという。 45~49歳という比較的シニアであっても、VO2max~LT付近を中心としたインターバルを複数織り交ぜることで、高い練習効率を実現できる可能性があることを示す一例といえるだろう。
参考URL
TRAINING4CYCLISTS.com・『Bronze Medal at 3K Pursuit World Championships With Only 10 Hours Training Per Week』・http://www.training4cyclists.com/bronze-medal-at-3k-pursuit-world-championships-with-only-10-hours-training-per-week/