シバリング(寒さによる体の震え)が起こると糖質が消費されてしまう
この時期でもまだロード・レースが開催されているが、寒い時期のレース前に注意が必要なのが、レース直前までなるべく体を温かい状態に保つことだろう。
レース直前まで体を温かい状態を保つ重要性
■ウォーミング・アップの効果の維持
これは「代謝の活性化」「筋出力の向上」「呼吸循環系の応答性向上」といったウォーミング・アップの効果を維持する意味がある。しかしこれ以外にも重要な意味がある。
■シバリングによる糖質の無駄な消費を防ぐ
それは「レースで必要になる体内に蓄積した糖質を無駄に消費するのを防ぐ」というものだ。
シバリング(寒さからくる体の震え)は、体温が低下した時に体内温度を一定に保つために筋肉が勝手に収縮しATP(アデノシン三リン酸)を活発費消費して熱をつくり出す反応だが、エネルギー源としては糖質が使われる(脂質は使われない)。しかもその発熱効率は低い。
■レース前に体が冷え切ってしまうとパフォーマンス低下につながる可能性が高い
そこでレース前に寒い状況でガタガタ震えながらスタートを待っていると、まだ走っていないのにせっかくレースのために体に蓄えてきた糖質がどんどん消費されてしまうことになる。これに加えて、上述のウォーミングアップ効果も消失してしまうので、レースでのパフォーマンス低下につながる可能性が高い。そういったことを防ぐためには、レース直前までウィインドブレーカーを羽織るなどしてなるべく体を温かく保つのが望ましいといえる。
参照URL
- 医に関する、あれこれ≪よみもの≫放送局
http://blog.goo.ne.jp/juryo08aib-suzuki/e/795d96ce04c9a847f518c0c8a44f3e9b
参考文献
- 桜井智野風著・『ランニングのかがく』・P104~105・秀和システム