パワーキャル・レビュー(パワータップG3とのデータ比較)
パワーキャルのレビューです。パワー・メーター各種の特徴を説明の上、パワーキャルとパワータップG3の実走時のデータを比較検証されています。
Team R – Awesome Bike Ride Adventuresさん
→リンク
レビューの重要ポイント
■筆者は「パワーキャルの実用性には懐疑的」だった
筆者は、過去パワーキャルの製品化のリリースを受け、パワー・データと心拍数のデータを自分でテストの上、比較検証し、その時の結果を踏まえ「パワーキャルの実用性には懐疑的」との立場でした。
■約3時間半の平均パワーの差はわずか10W・+6%
今回パワーキャルが発売されたので(おそらく自費で)購入し、パワーキャルとパワータップG3の両方を装着して約3時間半の実走を行い、パワー・データを比較検証されています。
全走行の平均パワーは、パワーキャルが175Wに対してパワータップG3が165Wとその差はわずか10W(パワーキャルのほうが+6%高い)にとどまっています。これは値段の差(米国価格 99ドルと1,300ドル)を考えるとかなりの精度といえそうです。実際の走行時のリアルタイムのパワー表示もパワー・タップの数字と近かったとのことです(この点について、パワーキャルに組み込まれたアルゴリズム[計算方法]が優れていると評価されています)。
■運動負荷の上昇にも2~3秒で反応
「運動負荷の上昇に対して心拍数の反応は30秒~1分程度遅れる」という点が心拍数をベースにするパワーキャルの弱点になると予想されましたが、意外なことにパワータップに遅れることわずか2~3秒といった比較的短時間で反応したとのことです。
■結論:心拍計だけを参考にして練習するよりは、かなりよい
筆者は以下のように結論づけています。
-
パワー・メーターを代替するものではない
(パワー・メーターを持っているのであれば、ジムで使うことができるとしても買い急ぐ必要はない) -
心拍数だけを参考にして練習するよりは、かなりよい
(値段を考えると、心拍計の買い替える予定がありパワー・トレーニングに興味があるならば「買い」といえる)
データの重要部分と注意点
■データの重要部分のまとめ
レビューに掲載されていた全走行と各インターバルのデータの重要部分をまとめたものが以下の表です。概ねパワーキャルとパワータップG3のデータが一致していることが確認できます。
■短時間高強度での有効性はさらに詳しい検証が必要
他方、インターバルは1分3秒~17分32秒と比較的短時間~長時間のものがありますが、平均パワーは最大でも245Wに留まっているのでL5~L7(特にL6とL7)といった短時間高強度のインターバルでの有効性は確認できません。走行時の最大パワーがパワーキャルで837W、パワータップG3で854Wとその差はわずか▲17W(パワーキャルのほうが▲2%低い)であることや、上記インプレを踏まえると、問題にはならない可能性もありますが、さらに詳しい検証が必要と思われます。
■脱水症状などの影響についても追加情報が待たれる
またインターバルを個別に見ていくと、下のデータになるほど、パワーキャルとパワータップG3の平均パワーの差異が大きくなり精度が低くなっています。これは脱水症状などの影響による同レベルのパワーでの心拍数の上昇(カーディアック・ドリフト)が影響している可能性があります。こういった影響についても、今後追加情報が待たれます。