ミラノ・サンレモ2017のパワー・データ ウィル・クラーク(キャノンデール・ドラパック)
本日は、Training Peaksに掲載された、ミラノ~サンレモ2017で6時間以上続いた逃げに乗ったウィル・クラーク(キャノンデール・ドラパック)のパワーデータを紹介します。
■ウィル・クラークの基本情報
- 名前:ウィル・クラーク(キャノンデール・ドラパック)
- 身長:192㎝
- 体重:81kg
- FTP:438W (5.4W/kg)
■レース全体
- レース全体:7時間16分48秒
- NP:301W
- 平均パワー:259 (3.1W/kg)
- IF:0.68
- 平均時速:39.5km/h
- 消費エネルギー:6,899kJ
- TSS:340
※パワートレーニング用語解説
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NP(Normalized Power)とは?
もし一定のペースで走っていたら何ワットになっていたか?を表します。パワーの上下動は体に負荷をかけます。その為、レースの平均ワット数は強度を正確に表しません。ウィル・クラークの場合、平均ワット数は259Wですが、レース全体で平均301Wで走り続けるのと同じ位の負荷がかかっているということをNPは表します。 - TSS(Training Stress Score)とは?
FTPで1時間走ったらTSSは100になります。ミラノ・サンレモはウィル・クラークにとって7時間で1時間の全力疾走を3.4本行ったのと同じ負荷という意味です。
■レース中のパワー
ミラノからサンレモまで291㎞を走るレースはゴールスプリントで決まる事が多いですが、レース距離の長さと終盤のチプレッサ (5.6 km、勾配4.1%)、ポッジオ (3.7 km、勾配3.7%)をメインとする丘陵地によって単にスプリント力があるだけでなくスタミナも要求されます。
この日6時間以上続いた逃げに乗ったウィル・クラークのデータをパフォーマンスディレクターのキース・フローリーは次のように解説しています。
コースの特徴やレース展開
- 世界最長のクラシックであり、ポッジオ・チプレッサの前の小刻みな丘陵地が脚を削り取る
- ポッジオでアタックしゴールまで逃げ切るとすると時間は8分程度
- 曲がりくねったポッジオを下るにはテクニックが必要。さらにそこからゴールまではまだ3kmある
- チームメートのトム・スクインジとクラークはスタート直後にアタック265㎞までその逃げは続いた
スタート直後のアタック
- 20秒 784W(9.42W/kg)
- 30秒662W(7.96W/kg)
- 60秒545W(6.55W/kg)
6時間30分も続いた逃げのパワー
- NP:301W
- 前半の内陸部:271W
- 後半の海岸線:332W
- 平均パワー:260W
- 平均時速:39.84kph
逃げは常に一定ペースを刻んでいるのではなく、後続集団との距離を測りながらペースをコントロールしています。 残り距離に対して集団が警戒しない程度の差をキープする為に前半はある程度脚を残しながら逃げて、後半はペースを上げているのがパワーから見て取れます。
驚異的な身体能力を持つワールドツアーの選手達。今年のクラシックシーズンも楽しみですね!
元記事
https://www.trainingpeaks.com/blog/power-analysis-cannondale-drapacs-will-clarke-milan-san-remo/
パワーデータ
http://home.trainingpeaks.com/athlete/workout/7TWDWYERC7OEJWKRNGNTUBMFPM
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3.ゲン・コグレ コーチについて
Peaks Coaching Group Japan所属のコーチ。カリフォルニア大学バークレー校卒。アメリカ・ノースカロライナ州在住。1988年、カリフォルニア在住時に自転車に魅せられ競技を開始。日本、アメリカ、スイスで豊富なレース経験がある(全日本選手権ロード11位、おきなわチャンピオンクラス200㎞8位、アメリカのPro/1/2、スイス1勝)。自身が高いレベルで競技をしながら、実弟のカンをカリフォルニア州チャンピオンに育てあげるなど、コーチとしての素養を早くから発揮していた。両親は日本人で、日本語会話はネイティブレベル。
■寄稿者:中田尚志コーチ(Peaks Coaching Group Japan)
Peaks Coaching Group Japan 代表。Peaks Coaching Group エリートレベル認定コーチ。2013年全米自転車競技連盟パワートレーニングセミナーを修了。2015年にトレーニングピークスユニバーシティを受講し、最先端のパワートレーニングを学ぶ。現在までに15,000以上のパワーデータを解析。2016年から京都を拠点に、パワーベースのコーチングを日本で展開する。自身も日本・アメリカでレース経験を持つレーサーでもある。