サイクリスト・トレーニング・バイブル【立ち読み版】vol.17 一流選手の資質:「精神力(メンタルタフネス)」(3)自信

【立ち読み版】2012年10月5日 07:50

一流選手の資質:「精神力(メンタルタフネス)」(3)自信

■「自信」についての問い

「試合で良い結果を出すために、しっかりと計画を立てていますか?」

「条件が思わしくない場合でも、良い結果を出せると信じられますか?」

「レースについて、自分でコントロールできる要因と、コントロールできない要因のうち、どちらについて多く考えますか?」

「スランプに陥ったとき、それを『成功へ道のりにつきもののステップだ』と見なして受け入れますか? それとも、『単に自分の能力の限界だ』と考えますか?」

「自分の能力を信じていますか? それとも、疑問を感じていますか?」

■自分を信じることの重要性

私はこれまで、才能に恵まれながらも自らの能力を信じ切れなかった選手を多く目にしてきました。そして彼らが、身体能力は劣っていても精神力が優る他の選手に敗れた例も何度も見てきました。「成長できる」「勝てる」と本心から信じていない選手に、コーチがそれを信じさせるのはとても難しいことなのです。

 

※この記事は、『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』児島修訳・OVERLANDER株式会社(原題:『THE CYCLIST'S TRAINING BIBLE 4TH EDITION』ジョー・フリール著・velopress)の立ち読み版のランダム掲載分です。『サイクリスト・トレーニング・バイブル(CTB)』は、わかりやすく最も信頼のおける自転車トレーニング教本として名高い世界的ベストセラーの日本語版です。■

 

著者紹介

ジョー・フリールジョー・フリール

ジョー・フリールは、1980年から持久系アスリートを指導してきました。依頼者はアマチュアからプロのロードサイクリスト、マウンテンバイク選手、トライアスロン選手、デュアスロン選手、水泳選手、ランナーと多岐にわたります。米国内だけでなく海外の国内チャンピオン、世界選手権に出場するような一流選手、オリンピック選手など、世界中のアスリートが、フリールの指導を受けてきました。

本書以外にも、彼の著書には、『Cycling Past 50』、『Precision Heart Rate Training』(共著)、『The Triathlete’s Training Bible』『The Mountain Biker’s Training Bible』『Going Long: Training for Ironman-Distance Triathlons』(共著)、『The Paleo Diet for Athletes』(共著)、『Total Heart Rate Training』『Your First Triathlon』などがあります。また、フリールは運動科学の修士号を取得しています。

『Velo News』『Inside Triathlon』などの雑誌のコラムニストとしても活躍し、海外の出版物やウェブ・サイトにも特集記事を寄稿。スポーツ・トレーニングの権威として、『ニューヨーク・タイムズ』『アウトサイド』『ロサンゼルス・タイムズ』などをはじめとする、大手出版社などのメディアからも頻繁にコメントを求められています。また、米国のオリンピック関連の各連盟にもアドバイスを提供しています。

フリールは、持久系のアスリートのトレーニングやレースについて、世界中でセミナーやキャンプを行い、フィットネス産業の諸企業へアドバイザーとしても活躍しています。彼は毎年、もっとも将来性の高い優れたコーチを複数名選び、一流のコーチの仲間入りができるよう、彼らの成長を見守っています。

 

訳者紹介

児島 修

1970年生。立命館大学文学部卒(心理学専攻)。スポーツ、ビジネス、ITなどの分野で活躍中。訳書に『ベース・ビルディング・フォー・サイクリスト』(OVERLANDER株式会社)、『シークレット・レース』(小学館文庫)、『マーク・カヴェンディッシュ』(未知谷)などがある。